告発・絶望の学府⑫
「息子は殺された」

2022年04月号

亡くなった学生の母親は、スマートフォンに保存されている長男の写真を見ると今も涙が溢れて止まらなくなる(3月上旬、北海道内)
※ 画像の一部を加工しています

被害学生遺族が慟哭の告発 江差パワハラで奪われた命

第三者調査で50件超の被害が認定された道立高等看護学院のパワーハラスメント問題で、未だ公式には認められていない最大の被害がある。理不尽な指導で留年を余儀なくされた男子学生が自ら命を絶ったのは、3年前の秋。不意の悲劇に言葉を失い、事実を追及する気力さえ奪われていた遺族がこの春、初めて被害告発に臨む決意を固めた。小さな声を支えるのは、ただ1つの思い。「なかったことにされたくない」――。

取材・文 小笠原 淳
1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)53歳


「なかったこと」許せない 風化させじ、最悪の被害


「今、学校にいる教員たちは、息子の件を知っている筈です」
 後志管内で介護職に就く女性(45)は、嗚咽まじりにそう訴える。
「知っていながら、その後も間違った指導を続け、何人もの学生さんをギリギリの所まで追い詰め続けた。そういう人たちが息子の死を『自分たちのせいじゃない』と思っているとしたら、絶対に許すことはできません」
 看護師を目指していた長男を喪ってから、早2年半。「なぜ助けてやれなかったのか」の思いは日増しに募り、今も生前の写真を眼にするだけで涙が止まらなくなる。存命ならば、息子はまもなく25歳。道南の看護学校を卒業し、ウイルス禍の今は地元の医療機関で忙しい毎日を送っていたことだろう。あるいはそれが叶わなくとも、元気でいてくれたらそれだけでよかった。

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平出委員ら

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