北洋銀行の親密企業「ネクステップ」経営陣の暴走【2】
本誌発売直後に水口社長が退任 新体制でも問われるガバナンス

2022年04月号

ネクステップ社がISJ事業部を置くワコービル
(札幌市東区)

3月号で報じた、不動産仲介、不動産賃貸管理、駐車場管理のネクステップ(本社札幌)経営陣における暴走問題の続報だ。北洋銀行幹部が代々社長に就く同行の親密企業でありながら、水口千秋社長(67)がオーナー社長のように振る舞い、自身の報酬倍増や社長定年延長などやりたい放題。こういった水口社長をはじめとする経営幹部のガバナンス欠如を指摘したところ、本誌発売直後の株主総会で水口社長が会長に退き、濱岸春尋副社長が社長に昇格したことが分かった。事実上の水口社長の引責辞任という受け止めが広がる中で、ネクステップ経営陣の暴走にブレーキはかかったのだろうか──。
(本誌取材班)

本誌報道2日後に突然退任 水口氏は「既定路線」と強弁


 本誌は3月号でネクステップの水口社長が、同社設立以来、北洋銀行出身の社長が踏襲してきた報酬と定年の内規を独断で変更。報酬を年間1200万円から2400万円に倍増し、社長定年を65歳から70歳に引き上げたことなどを報じた。
 同社は、出資比率などから厳密には北洋銀行のグループ企業ではないが、歴代の経営陣は北洋銀行グループ企業の慣例に従い会社の舵取りをしてきた。初代の江村正氏、2代目の新居隆氏はこうした慣例に基づく内規を遵守するととも、持続可能な経営のため優良な賃貸物件の取得や内部留保の積み上げに腐心してきた。
 そうした中、2016年1月に同行から社長に就任した水口氏は内規を無視し、ヒト、モノ、カネで緊密な関係がある出身行との関係を顧みず、オーナー企業の経営者のような振る舞いが目立つようになっていた。
 こうした行動が関係者の間で批判を浴びるようになり、社内からも正常化を求める声が強まっていた。それらの声を受けて取材を進め報じたのが先の3月号の記事だった。その際、本誌は水口氏の報酬や定年問題などについて同社に質問。1カ月以上経ってから顧問弁護士を通して届いた回答は本稿の最後で紹介するが、まずは3月号発売以降の同社の動きと新たに分かったガバナンス不在の実態を報告したい。

新社長に就任した濱岸春尋氏
(同社ホームページより)

会長に退いた後、会社で不在状態とされる水口氏(同)

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ワコービルの郵便ポストに貼られている手書きの社名

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(同社ホームページより)

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