出入り業者と幹部職員の癒着問題に揺れた深川市立病院
■チケット要求行為は問われず「大山鳴動して鼠一匹」の結末に
昨年から報じてきた北空知の医療拠点、深川市立病院(開設者=山下貴史市長・203床)の“内部告発者潰し”の続報だ。
診療放射線課幹部と医療機器販売会社F社との癒着を告発した同課の技師が事務部局へ異動を命じられた案件にからみ、野球観戦チケット供与を求める同課幹部(S課長とI課長補佐)と、両名に対応するF社担当者による音声記録が2021年3月の市議会で北名照美市議(共産・10期)に暴露され、大きな問題に発展していたことは既報の通り。
この事態を受けて同市は、「公務員倫理などに抵触する恐れがある」として同年4月に「深川市立病院診療放射線課に関する調査委員会」(調査委)を設置。以後、調査委は関係者への聞き取りなどを経て最終的な報告書(11月29日付け)をまとめ12月1日に公表するに至ったというのが、これまでの経緯だ。
今回の最終報告で調査委は、昨年8月下旬の中間報告と同じく幹部職員が観戦チケットの提供を求めたことは認定したが、授受はなかったと結論づけた。この件に関連する医療機器の入札問題でも同じく「不正は見受けられなかった」とした。
この結果を踏まえ同市は12月23日付けで、関係者2名(部長職と課長職)にあらためて懲戒処分(戒告)を言い渡したが、その理由と内容については疑問が残る。
市が決めた懲戒処分の「事案の概要」を次に──。