狩人、銃を奪われる⑥
「著しく妥当性欠き、違法」
池上治男さんは、裁判提起から現在に到るまで「私だけの問題ではない」と訴え続けている
(12月17日午前、札幌地方裁判所前)
ヒグマ駆除ハンター全面勝訴 完敗の公安委はまさかの控訴
地元公安委員会の処分は、法廷で全否定された。「社会通念に照らして著しく妥当性を欠き、裁量権を濫用したものと言わざるを得ない」――。自治体の要請でヒグマを駆除したハンターから銃を取り上げる措置を、裁判所ははっきり「違法」と断定。これにより各地の獣害対策が正常化するかに思われたが、完膚なきまで潰された筈の被告がその結果に水を差し、争いは高裁に持ち込まれることに。駆除の担い手を狙い撃ちにする当局にはどんな目的があるのか、その真意はもはや測りようもない。
取材・文=小笠原 淳
“事件”から3年めの決着 取消処分、司法が全否定
「長く拘束され『あなたはヤクザを銃で撃つか』などと侮辱的な言葉まで浴びせられた」と、旧砂川署の取り調べを振り返る池上さん(12月17日午前、札幌市内)
札幌地裁の廣瀬孝裁判長は異例の現地調査を決断、自ら駆除現場を歩いてバックストップの存在などを確認していた
(一昨年10月7日午後、砂川市宮城の沢)
ヒグマによる被害が減る兆しはなく、道内では池上さん提訴の3日後にも死亡事故が起きていた(北海道が公開している『ヒグマによる人身事故』一覧)
「長く拘束され『あなたはヤクザを銃で撃つか』などと侮辱的な言葉まで浴びせられた」と、旧砂川署の取り調べを振り返る池上さん(12月17日午前、札幌市内)
札幌地裁の廣瀬孝裁判長は異例の現地調査を決断、自ら駆除現場を歩いてバックストップの存在などを確認していた
(一昨年10月7日午後、砂川市宮城の沢)
ヒグマによる被害が減る兆しはなく、道内では池上さん提訴の3日後にも死亡事故が起きていた(北海道が公開している『ヒグマによる人身事故』一覧)
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