Journal's Eye ──釧路町で赤潮被害を追う
昆布森から消えたウニ

2022年01月号

9月下旬、昆布森の浜に押し寄せる赤潮(釧路町役場提供)

「死の海」となった沖の漁場

「あれは9月22日だったな。関係先から漁協に『赤潮発生』ってファクスが入ったんだ。それで船出して沖さ出てみた。そしたら海がもう真っ赤さ。翌朝、潜水夫を乗せて仙鳳趾(せんぽうじ)の漁場に調査に行ってみたんだけど、ほれもう白くなってこんな状態さ。一見黒いのもあるけどみんな弱ってる」
 11月18日午後、潜水士が撮影した海底の映像を傍に記者の取材に応じたのは昆布森漁協(釧路町)に所属する昆布森うに漁業生産部会長の成田昇三さん(67)だ。
 エゾバフンウニが死に絶えて白い殻となり、海底のそこかしこに固まっている。殻は波の影響でしだいに砕け、砂のようになって消えていくそうだ。その様相は「死の海」と言っていいほど不気味なものだった。
 青天の霹靂とはまさにこのこと。折しも同生産部会では10月から始まるウニ漁を前にして9月12日に漁場の潜水調査を実施したばかり。「今年は身入りもいいし、資源もまあまあかなと思っていた」(成田さん)。そんな期待を跡形もなく打ち砕いたのが今回の赤潮だった。
 昆布森のウニ漁の概要は別稿の小松茂釧路町長のインタビューに詳しいが、簡単に言えば稚ウニ(種苗)を漁場に撒き、良質なコンブを餌にして4年ほどかけて大きく育てる養殖に近いスタイル。だが、今度の赤潮で生育途上のものを含めほとんどのウニが昆布森の沖から姿を消したと見られている。

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空の折箱を手にする関係者。昆布森うに漁業生産部会では毎年4億円前後を売り上げていた(11月18日午後、同生産部会の加工場)

仙鳳趾沖の漁場では斃死したウニの死骸が積み重なっていた(9月28日撮影・釧路町役場提供)

誰もいない加工場で窮状を訴える成田部会長

国会議員や農水省の関係者も視察に訪れた
(10月15日、釧路町昆布森地区)

空の折箱を手にする関係者。昆布森うに漁業生産部会では毎年4億円前後を売り上げていた(11月18日午後、同生産部会の加工場)

仙鳳趾沖の漁場では斃死したウニの死骸が積み重なっていた(9月28日撮影・釧路町役場提供)

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