“告発・絶望の学府⑧
「道の責任は重大」
その夜、北海道の担当課は初めて被害者に直接謝罪したが、加害が認められた教員は 1 人として姿を見せなかった(10月29日夜、函館市の函館国際ホテル2階会議場)
第三者委がパワハラ52件認定 道立看護 告発1年で道が謝罪
決意の告発から1年以上が過ぎて得られたのは、被害者にとっては当然の結論だった。否、それでもなおすべての事実が解明されたとは言い難く、被害の救済に到ってはようやく緒についたばかり。すでにその道を諦めてしまった若者は1人や2人ではなく、失われた時間は取り返しようもない。この秋、北海道立高等看護学院で疑われていたパワーハラスメントの数々が初めて事実と認められた。調査結果の「52件」には、「少なくとも」の一句を冠さなくてはならないことを確認しておく。
取材・文 小笠原 淳1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)。52歳
教員11人関与、被害52件副学院長が「独善的運営」
被害相談対応の記録をほぼ全面墨塗りで開示した道は、個人情報保護を盾に公務の適正性の検証を妨げている(道が4月27日付で一部開示した公文書)
この6年間のケースがハラスメント認定された一方、過去には志半ばで命を絶った学生もいたことがわかっている(檜山管内江差町の下宿)
第三者調査委員会は4度めの会合後に調査結果を報告、52件のハラスメント認定を伝えた上で、道のこれまでの対応に苦言を呈した(10月12日夕、函館国際ホテル8 階会議場)
被害に気づかなかった自分の責任は重い」と、伊東則彦学院長(10月13日午前、檜山管内江差町の道立江差高等看護学院)
地元議会では保健福祉部トップが頭を下げたが、問題追及を続ける議員は「被害者に直接謝罪を」と求めた(11月4日午後、北海道議会保健福祉委員会)
認定されたハラスメント全52件の中には、犯罪が疑われる事案も――一覧中の「A教員」は副学院長を示す(第三者調査委員会がまとめた『調査書』概要版)※ 記載が47 件なのは、複数の教員が関与したケースが含まれるため
第三者調査委員会は4度めの会合後に調査結果を報告、52件のハラスメント認定を伝えた上で、道のこれまでの対応に苦言を呈した(10月12日夕、函館国際ホテル8 階会議場)
被害相談対応の記録をほぼ全面墨塗りで開示した道は、個人情報保護を盾に公務の適正性の検証を妨げている(道が4月27日付で一部開示した公文書)
被害に気づかなかった自分の責任は重い」と、伊東則彦学院長(10月13日午前、檜山管内江差町の道立江差高等看護学院)
この6年間のケースがハラスメント認定された一方、過去には志半ばで命を絶った学生もいたことがわかっている(檜山管内江差町の下宿)
地元議会では保健福祉部トップが頭を下げたが、問題追及を続ける議員は「被害者に直接謝罪を」と求めた(11月4日午後、北海道議会保健福祉委員会)
認定されたハラスメント全52件の中には、犯罪が疑われる事案も――一覧中の「A教員」は副学院長を示す(第三者調査委員会がまとめた『調査書』概要版)※ 記載が47 件なのは、複数の教員が関与したケースが含まれるため
目次へ
© 2018 Re Studio All rights reserved.