長期間のハラスメントが議会で採り上げられ始めてから、まもなく半年が過ぎる(9月7日午後、北海道議会保健福祉委員会)
江差看護、後期の一部が開講
パワハラ問題で議会追及続く
最初の被害告発から丸1年、道立看護学院の教員らによるパワーハラスメント問題はなお出口の見えない状況だ。現場の江差では後期授業の一部がすでに開講、直前にそれを知った学生があわや単位取得を逃がしかける事態も起きている。地元議会では継続して問題追及の声が上がっているものの、担当課の動きは事実上第三者委員会の調査終了待ち。被害学生たちの救済策は、未だその概観さえ見えていない――。(取材・文 小笠原 淳)
「この間、主体的に動く道の姿が見えません」
9月7日午後、北海道議会保健福祉委員会。道立江差高等看護学院で議員苦言「道は動かない」長期間のハラスメントが議会で採り上げられ始めてから、まもなく半年が過ぎる(9月7日午後、北海道議会保健福祉委員会)浮上した教員のパワーハラスメント問題が俎上に載るのは、本年度に入ってからその日で4度めとなった。ほぼ毎回この問題を追及し続けている平出陽子委員(民主、函館市)は、一連の質問を締め括るにあたって強い口調で道の担当課へ苦言を呈することになる。
「学生や保護者に言われないと、道は動きません。議員に質問されないと、道は動きません。だから私は、しつこく質問するんです。以上」
今春あかるみに出た江差看護学院のパワハラ問題は、前号までに報じた通り昨年9月の時点で道の知るところとなっていた。複数の匿名告発を受けた担当課はしかし、本年3月になってようやく学生らとの意見交換に到り、事態の収拾に目途をつけられないまま新年度を迎える。報道大手や地元議員などの追及を受けて第三者調査委員会を立ち上げたのは、5月下旬。同委(山内良輔座長)は改めてパワハラ被害が疑われる学生ら24人の訴えを聴取し、延べ94件の調査対象事案を特定した。関与が疑われる教員ら計15人への聴取は7月中にほぼ終えており、現在は各事案についてハラスメントの事実認定にとりかかっているところだ。