オートメーションで省力化を実現稼働した「札幌低温第2センター」
飛躍するエア・ウォーター物流の食品事業

2021年09月号

5月から稼働を開始した「札幌低温第2センター」(札幌市厚別区厚別中央)

Business Report
エア・ウォーター(本社大阪市)のグループ会社、エア・ウォーター物流(本社札幌市)が整備した「札幌低温第2センター」(札幌市厚別区)が5月から本格的に稼働している。これまで冷凍食品やスイーツ、氷菓など5℃~8℃の冷蔵帯(チルド)やマイナス20℃の冷凍帯(フローズン)の商品保管を担ってきた「札幌低温センター」(同白石区)の稼働率が上昇。さらに需要の高まりが見込めるため保管能力を増強し、同社として冷食メーカーやコンビニエンスストア、スーパーマーケットのニーズに対応できるようにしたのが、今回の「札幌低温第2センター」である。チルドやフローズンの食品は、コロナ禍の巣ごもり需要の拡大で伸び率は大きく、エア・ウォーター物流は、それらの保管と配送を担うことにより消費者の食生活をサポートしていく考えだ。オートマチックな倉庫として省力化を実現した「札幌低温第2センター」の概要や意義をレポートする。(7月28日取材)
 

低温管理の強みを活かし成長著しい食品事業分野

 
 エア・ウォーター物流のルーツは1947年2月に設立された北酸商事に遡る。62年5月に物流子会社、北酸運輸として分社化され、親会社のガス輸送を担うことから始まった。
 その後、親会社の社名変更に伴い「ほくさん運輸」に改称、2000年7月から「エア・ウォーター物流」となり現在に至っている。
 エア・ウォーターグループの物流事業は、このエア・ウォーター物流を中核に、東日本エア・ウォーター物流(本社横浜市)、西日本エア・ウォーター物流(同大阪市)、エア・ウォーター食品物流(同仙台市)、トラックボディなどの設計・架装事業を展開する北海道車体(同札幌市)、桂通商(同京都市)の6社で構成される。エア・ウォーター物流の年間売上高は322億2900万円(2020年3月期)で、6社の合計売上高は約700億円にのぼる。
 エア・ウォーター物流の強みは、低温液化ガスの自社配送で培った高度な温度コントロール技術を用いた低温管理輸送技術だ。
 現在では、この分野で蓄積した技術を生かしてガス輸送以外で多岐に亘る事業を展開している。事業部は3つに分かれており、祖業とも言えるガス輸送をはじめ独自に開発したクーリングコンテナを利用した血漿輸送、医療系廃棄物の収集運搬(静脈物流)などの「エキスパート事業部」、北海道と関東や関西を結ぶフェリーを利用した幹線物流のシャーシ(荷台)輸送のほか道内の一般貨物輸送を手がける「運輸事業部」、そして商品保管業務や受発注業務、店舗別仕分け業務、賞味シール張りなどの流通加工業務、店舗への配送業務を行なう「食品事業部」という構成だ。
 今回、レポートする「札幌低温第2センター」(以下、第2センター)は、先に述べた食品事業部の中核施設である「札幌低温センター」(以下、低温センター)を補完する役割を持つ。
 扱うのは、冷凍食品や加工食品、スイーツ、氷菓などの商品。常温からマイナス50℃の超低温まで5温度帯に対応し、食品メーカーやコンビニエンスストア、スーパーマーケットの商品保管と配送を担っている。
 同社の食品事業部長・上原英取締役は、「低温センターでは、稼働時から常温とチルド、フローズンそれぞれの温度帯に対応していましたが、数年後には増えてきたフローズン需要に大きく対応できるようにしました。当初は、約3000パレットの収納ができるように考えていたのですが、冷食需要の伸びが大きいことから、固定ラックを移動式ラックに変更し、通路を減らして保管効率を高めることで2018年には約3500パレットまで対応できるようになりました。
 

取材に応じた佐藤能衛専務(左)と上原英食品事業部長

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フォークリフトによる荷受け作業

商品はオートメーションで自動倉庫に搬入される

マイナス20℃のフローズン室に保管されている商品

自動倉庫に保管されている商品

取材に応じた佐藤能衛専務(左)と上原英食品事業部長

フォークリフトによる荷受け作業

商品はオートメーションで自動倉庫に搬入される

マイナス20℃のフローズン室に保管されている商品

自動倉庫に保管されている商品


 


エア・ウォーター物流株式会社
札幌市豊平区月寒東2条16 丁目1番6号
TEL:011-859-5301
URL:https://www.awlg.co.jp

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