“戦争”のようなコロナ禍で、いま希望を見出せる対策を

2021年09月号

「こんな時代だからこそ前向きに」と笑顔を見せる片山参議
1959年5月埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。82年東大法学部卒。同年4月大蔵省(現財務省)に入省し2004年女性初となる主計局主計官に就任。05年総選挙に自民党から出馬し初当選(静岡7区)。10年参院選全国比例区でトップ当選。18年第4次安倍晋三内閣で内閣府特命担当大臣及び女性活躍担当大臣に就任。現在自民党総務会長代理。62歳

政府の対応が後手に見えるのが残念
 
第4次安倍晋三内閣では内閣府特命担当大臣(地方創生・規制改革・男女共同参画)及び女性活躍担当大臣を務め、現在は所属する自民党の総務会長代理に就くなど、これまで政府と党の要職を歴任し手腕を発揮してきた片山さつき参議。5月には現在のコロナ禍に対して、多角的な対抗策の普及を目指す「感染対策を資材と方法から考える超党派議員連盟」を設立し会長に就任。新たな取り組みにも果敢に挑んでいる。7月中旬、来道した折に取材に応じた片山参議は、コロナ禍中における現政権の課題や今後の対策について鋭く言及した。(7月18日、札幌市内で収録)
自由民主党総務会長代理 片山さつき参議院議員
 

行動制限だけでは勝てないと分かってきたコロナとの戦い

 
 ──現下のコロナ禍と政府の対応について、率直な受け止めをお聞かせ下さい。
 
 片山 世界の中で日本の対応が何もかも間違っている、ということはないと思っています。経済政策で言えば、主に貸し渋り対策が奏功して諸外国に比べ倒産・廃業件数が少ない現状になっています。
 旧大蔵省で働いていた私は、北海道拓殖銀行破綻の頃からさまざまな経済危機や金融危機の対応を経験してきました。そこからやはり基本だと感じるのは、銀行など金融機関は全力で取引先企業の突然死を防がなければならないということです。そうでなければ日本の経済危機は抑えられません。
 拓銀破綻のことに触れましたが、私が今も強く思っているのは、あそこは潰してはいけない銀行だったということ。本来ならある種の企業分割の手法を使い、バブルで不良債権を抱えた部門だけを破綻処理して責任者を処分すれば済むことだった。しかし結果的には破綻。私は当時、大蔵省銀行局企画官で直接の担当ではありませんでしたが、思ったのは政治家が金融を知らないと事業主が泣くということです。
 拓銀が破綻に至ったのは、資金が調達できなかったため、都市銀行の中で企業体力が一番弱かったためでした。地元の皆さんには非常に申し訳ないのですが、我々も万が一にもこうなるとは思っていなかった。同じような経営危機に直面した場合は、破綻前に合併や業務提携したり、処分すべきものを処分するなどして最悪の事態を回避するのがセオリー。しかしながら公的資金の制度すらなかったので、それもできずに力尽きたというのが実情です。
 
 ──大蔵省にいた片山さんならではの興味深い指摘です。
 
 片山 現下のコロナ禍について話を戻します。率直に言って、これは戦時体制下の非常事態と一緒です。菅総理はファイザー、モデルナとの交渉でワクチンの数を確保しました。それがベストだったかどうかはともかく、ワクチンの確保に難航している周辺諸国の状況を見ると、日本政府はそれなりに頑張ったという見方ができると思います。
 しかし米国であれだけの数を接種している時期に、もう一度日本で治験をやり直すべきという勢力が国会内、厚労省にあり、それで肝心の接種開始が予定より2カ月遅れたという側面は指摘しておかなければなりません。
 感染者の数、感染率については、欧米と比べると日本もアジアも低いのが現実。ここには何らかのファクターがあるのではと考えざるを得ません。
 
 ──その欧米では、ワクチン接種の普及などを理由にノーマスクで人々が集まるなどコロナ対策が緩んできた印象があります。
 
 片山 私も海外のスポーツ中継などで目にしています。ですが、デルタ株が猛威を振るい出していることなどを考えれば、やはりマスク、特に不織布マスクの感染抑止効果は間違いなくありますから、当面は続けた方が良いでしょう。
 先週(7月15日)から、政府対策分科会の尾身茂会長が「人々の行動制限だけに頼る時代はもう終わりつつあると思う。
 

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