「コロナ禍から日本を救う」新団体・日本除菌連合が誕生
次亜塩素酸水溶液やオゾンなど「コロナ不活化」の事業者が結集

2021年06月号

日本除菌連合の設立総会で挨拶する越智代表(4月22日、東京都内)

超党派議連とタッグで除菌対策を国に提言

空間噴霧で広範囲かつスピーディーに新型コロナウイルスなどを不活化する次亜塩素酸水溶液。その普及によるコロナ禍の克服を目指す(一社)次亜塩素酸水溶液普及推進会議(略称JFK、越智文雄代表理事)が、光触媒やオゾン、抗菌塗料など除菌にかかわるさまざまな事業者と大同団結。4月22日、都内で新団体「日本除菌連合」が産声をあげた。同団体は、片山さつき参議(自民党)が発起人代表を務め5月12日の設立が予定される「感染対策を資材と方法から考える超党派議員連盟」と連携。「除菌でコロナから日本を救う」取り組みに全力で臨む構えだ。
 

「やれる事はまだある」

 2度目の解除から僅か1カ月余りで、東京や大阪など4都府県を対象にした3度目の緊急事態宣言が発出されるに至った新型コロナウイルスの感染拡大。目下脅威となっているのは、いわゆる従来型ウイルスよりも感染力が強いなど危険度が増しているという変異種。だが、ウイルスが自ら強化を遂げた一方で我が国の感染対策と言えば、3密回避に行動の自粛や時短。アルコール消毒、マスク着用と代り映えのない取り組みが繰り返されている。しかも今は想像を超える変異種の感染力を目の当たりにして、「マスクを着けていてもリスクはある」といった警鐘もよく聞かれるようになったほか、行政側のアナウンスは行動自粛一色といった印象だ。
 とはいえ人々が行動を停止した社会は、何の生産活動も生まず暮らしは成り立たなくなる。そんな中、生活環境を空間除菌などによって感染リスクのないクリーンな場とすることで通常通りの社会活動を取り戻そう、というのが今回誕生した日本除菌連合(JJU)の活動指針だ。
 同団体の初代代表でJFKの代表理事でもある越智文雄氏。同氏が社長を担うあかりみらい社(札幌市)は、事業の柱が省エネのまちづくりや地域防災の強化。越智氏自身も危機管理アドバイザーとして、こと現在ではコロナ対策の案件を主に全国各地を飛び回る日々が続いている。
 JJUのスローガンである「やれる事はまだある」は、同社がコロナ対策事業に取り組み始めた当初から越智氏が繰り返し訴えてきたフレーズ。普及に全力を注ぐ次亜塩素酸水溶液による空間環境除菌に関しては、年末年始の北海道神宮や昨年11月に国立代々木競技場で開催された体操の国際大会などでも空間噴霧機器が導入された。離島での大規模クラスター発生という危機的状況に陥った檜山管内奥尻町へは、JFKの取り組みとして延べ11トンに及ぶ次亜塩素酸水と生成パウダー、およそ180台もの超音波霧化器・高圧噴霧器を寄贈。成人式がGWに延期された倶知安町や興部町にも協力し、会場は徹底的に空間除菌して開催された。
 PCR検査キットの利用推進にも力を入れている越智氏がさらに「やれる事はまだある」と打って出たのが、次亜塩素酸水に関わる事業者の業界団体という枠を超え、「コロナ不活化」に取り組むさまざまな事業者との大同団結だった。
 4月22日、東京で催されたJJUの設立総会で越智代表は、「感染対策を資材と方法から考える超党派議員連盟」の活動をバックアップしていく考えを示すとともに、次亜塩素酸水、光触媒、紫外線、オゾンなど日本中の最新技術を結集し、感染対策を進めていく考えを表明。来賓として出席した前述の超党派議連・発起人代表の片山さつき参議は「我が国の技術は捨てたものではない。国力をあげて皆様(会員事業者)の努力を必ず実る形にし、普通の生活、普通の経済活動の回帰につながるよう取り組んでいきたい」と、JJUへの期待と支援の意向を示した。またこの日はプロレスラー蝶野正洋氏のビデオレターが上映され、同氏がJJUのアンバサダーに就任したことも報告された。
 この設立総会でJJUは、次の6項目を政府に提言することにした。
■新型コロナウイルス感染拡大防止のために、室内環境からウイルスや菌を除く「空間除菌」の取り組みを政府の感染症対策アクションプログラムに加え、国民に広めること。
■感染症対策に有効な除菌資材や空間除菌機器普及のために、国自らが研究を進め、非科学的な規制や誤った通達を撤回するとともに、正しい情報を啓発することで感染症対策として国民がそれらを安心して使える環境を整えること。
■具体的な「空間除菌」アクションにより感染リスクを低減させた飲食、観光等の事業者については一律の自粛・規制対象から外すことで自立的経済活動を復活させ、除菌による経済復活のモチベーションとすること。
■日本が世界で最高水準の除菌活動を徹底することにより「東京オリンピック・パラリンピック2020」開催を成功させること。
■これらの具体化のために、政府の新型コロナウイルス対策専門家会議に除菌について深い専門的知見と実績を持つ専門家と業界代表を参加させること。
■国内の感染拡大を早期に収束させるとともに日本の除菌技術を世界に広めるために、科学的エビデンスの研究や技術開発への支援、産業支援としての政府支援を行なうこと。
 除菌によるコロナ対策に国は今後どのような姿勢を示していくのか。待ったなしの状況下、JJUと超党派議連の働きかけに注目したい。
 

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