道警不祥事から考える〈50〉
スクールガードの素顔

2021年06月号

「自称スクールガード」は事件直後、長く続けた活動から身を引いた(容疑者が児童の見守りを続けていた札幌市内の小学校)

元警官の悪質事件、未発表。未成年相手に強制わいせつ

4月上旬、札幌市内の小学校で児童の登下校を見守る「スクールガード」の1人が未成年相手の性犯罪で逮捕された。地元警察は事件を報道発表せず、検察は処分保留で容疑者を釈放。同じ地域に住む被害者の心情は定かでないが、そのわいせつ犯が元警察官だと知った時の驚きは察するに余りある。さらに驚愕すべきは、複数の元同僚が打ち明ける事実。その犯行は、今回が初めてではなかった――。(取材・文=小笠原 淳)
 

この春、彼は姿を消した

 札幌市内西部、約300世帯が加入する町内会で、役員の1人が歎息する。
「町内では以前にも声かけ事件があり、子供たちの通学時間に合わせて見守りを続けていたんですが…」
 地域の住宅街に囲まれるように建つ市立小学校では、互いに隣接する2つの町内会が月曜から金曜までの毎日、会員2人でペアを組んで「スクールガード」に立っている。児童の登下校を見守るその活動は5年ほど前、札幌市教育委員会から委嘱を受ける形で始まった。
「彼はそれ以前から、1人でやっていたようです。市でどういう扱いになっているのかはよくわかりませんが、我われと同じような緑色のベストや帽子を身に着けているので、いちおう公式なスクールガードということになってるんでしょうか」
 その学校には、町内会の取り組みとは別に独自の見守り活動を続けている人物がいた。子供たちにはよく顔を知られているらしく、互いにハイタッチし合う光景などが複数の住民に目撃されている。
「ただ、一部からは『女の子とベタベタし過ぎじゃないか』『必要以上に触っているようだ』というような声も上がっていました。とはいえ彼は非常に真面目に見守りを続けていたので、それほど問題にはなってなかったんですが」
 長く続いた独自の活動に終止符が打たれたのは、本年3月末のこと。たまたま年度替わりの節目だったためか、地域住民の多くはその人が姿を消した理由を知らないままだ。
 

地元警察は事件を報道発表せず、確認取材にも応じていない(札幌市中央区の北海道警察本部)

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3次救急に遜色ない体制で重症患者の救命率をアップ

容疑者宅には『子ども110番の家』ステッカーが掲示されていたが、現在は剥がされている(札幌市内)

容疑者宅には『子ども110番の家』ステッカーが掲示されていたが、現在は剥がされている(札幌市内)

地元警察は事件を報道発表せず、確認取材にも応じていない(札幌市中央区の北海道警察本部)

 
孫ほどの少女を連れ回し

 4月2日、札幌市内の警察署が管内に住む無職の男(77)を逮捕した。容疑は、未成年への強制わいせつ。被害者は地域の小学校を卒業した10歳代後半の女性で、容疑者とは顔見知りだった。
 

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