告発・絶望の学府(2) 
「速やかに救済を」

2021年06月号

北海道の担当課は保護者らとのやり取りを報道公開せず、その理由を「個人情報の保護」などと述べたが、参加者によれば個人情報は一度も話題に上らなかった(4月27日午後、道本庁舎11階)

江差看護問題、膠着状態。道の明答ないまま1カ月

前号の報告から1カ月、事態はほとんど進展していない。道南の公立専修校で起きていたとされる、長期間のパワーハラスメント問題。疑いが表面化したことで複数の教員が一時的に教壇を離れることにはなったものの、具体的な未然防止策や過去の被害の救済策などは、今もって示されないままだ。再三にわたって問題解決を要請し続けている保護者らは、遅々として進まない行政の対応に憤りを隠さない。「役所は風化を待っているのではないか」――。(取材・文=小笠原 淳)
 

担当課の報告に進展なく「引き延ばし」疑う父母ら

「問題を風化させようとしてるんじゃないかと、疑心暗鬼になってしまいます」
 報道陣を前に、その男性(56)は疲れ切った表情を見せる。並んで掛けるもう1人の男性(63)も、小さく頷きながら言葉を継いだ。
「時間が経つと関心も薄れてくるだろうと、頑張って引き延ばしてるんじゃないでしょうか」
 4月27日午後、北海道立江差高等看護学院に通う学生の保護者らが道の担当課に「緊急要請」を寄せた。冒頭に再現したのは、要請後に設けられた記者会見での一齣。保護者らでつくる「父母の会」が同学院の「正常化」を求める申し入れに臨むのは、その日で2度めだった。
 

 江差の学院で長く続いてきたとされるパワーハラスメントの実態は、本誌前号で詳しく報じた。現在の副学院長を中心とする複数の教員が学生への暴言や暴行、指導拒否などを日常的に繰り返し、多くの学生を休学、留年、あるいは退学に追い込んだ問題。過去の被害者の中には自ら命を絶った人もおり、本年に入ってからも自殺未遂を起こした学生がいることがわかっている。昨年度入学した1年生(当時)19人の半数以上が2年生に進級できず、一部の学生はその時点で看護職を諦めざるを得なかった。
 昨年度の在学生や保護者らが学院を所管する道保健福祉部医務薬務課に苦情・相談を寄せ始めたのは、昨年9月ごろ。これを受けた道が学生や教員への聴き取り調査にあたったのは、実に半年が過ぎた本年3月のことだった。
 

2度の申し入れを経てなお、事態は「まったく進展しなかった」と保護者ら(4月27日夕、道政記者室)

道が〝開示〟したパワハラ記録は、意味のある情報がことごとく墨塗り処理されていた(『電話受理票』など14種67枚)

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道議の緊急要請を受けた保健福祉部長は「娘2人が看護職を志している」と打ち明け、パワハラ問題を「親御さんの身になって考えたい」と述べた(4月12日午前、道保健福祉部)

父母の会が始めた電子署名は、公式サイトから参加可能(https://esashi-seijo.main.jp/)

2度の申し入れを経てなお、事態は「まったく進展しなかった」と保護者ら(4月27日夕、道政記者室)

道議の緊急要請を受けた保健福祉部長は「娘2人が看護職を志している」と打ち明け、パワハラ問題を「親御さんの身になって考えたい」と述べた(4月12日午前、道保健福祉部)

道が〝開示〟したパワハラ記録は、意味のある情報がことごとく墨塗り処理されていた(『電話受理票』など14種67枚)

父母の会が始めた電子署名は、公式サイトから参加可能(https://esashi-seijo.main.jp/)


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