北海道大学敷地内薬局公募の怪“出来レース疑惑”を追う(3)
苦し紛れか問題隠しか

2021年05月号

混迷の中にある「処方箋920枚」の行方(写真は北大病院)

北大が運営事業候補に。アインHDを追加選定

出来レース疑惑の内部調査を名目に、ここ半年ほど塩漬け状態になっていた北海道大学(寶金清博総長・以下北大)の敷地内薬局誘致問題で予想外の展開だ。北大は、これまで運営事業候補者としていたメディカルシステムネットワーク(以下メディシス・本社札幌)の子会社、なの花北海道(同)に加え、アインホールディングス(以下アインHD・同)を追加選定すると3月10日に公表。だが、この決定には不可解な点が多く危うさも孕んでいる。北大の“変心”はなぜ起きたのか。苦し紛れか、問題隠しか、それとも──。(本誌編集長・工藤年泰)
 

「問題点はなかったが追加した」の意味不明

 
 本誌が昨年10月号(2020年9月15日発売)から報じてきた北大敷地内薬局誘致の出来レース問題。今回の新たな動きに触れる前にこれまでの流れを簡単に振り返っておこう。
 北大は、敷地内薬局誘致に伴う公募型プロポーザルを2018年7月3日に公告し、2次審査に進んだ4社(アインHD・日本調剤・ツルハホールディングス・なの花北海道)から20年7月29日、なの花北海道を運営事業候補者に選定する。
 2年間という異例の長さの審査期間もさることながら、この選定直後に浮上したのが“なの花ありき”の出来レース疑惑だった。
 北大が指定する場所に「なの花北海道」側が負担する形で13億円をかけて留学生宿舎を建設するなど、公募公告の前に同大の思惑を知らなければ提案できないような内容が決め手になったことが明らかとなったからだ。
 他の大学では一般的な応募各社の評価点数も開示されなかったうえ、最も高い点数だったとされる別の応募者が選ばれなかったこともこの出来レース疑惑に拍車をかけた。
 こうした声を無視できず、北大は寶金氏が新総長に就任した昨年10月、この問題の内部調査を開始。それ以降は沈黙を続けてきたが、冒頭のように3月10日、唐突にホームページ上で『保険調剤薬局選定・運営のための敷地貸与に係る運営事業候補者の選定について』と題したお知らせを掲載するに至った──というのが大まかな経緯だ。
 今回の発表前には、選定結果を白紙に戻す、運営事業候補者決定そのものを凍結するといった憶測が乱れ飛んだが、蓋を開けてみれば「追加選定」という関係者にとって想定外の決定だった。
 

3月10日に北大がホームページで発表した「お知らせ」

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メディシスとなの花北海道が入居するAKKビル(札幌市中央区)

アインHDの本社ビル(札幌市白石区)

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