優生思想の罪、法廷へ〈9〉
非情の札幌地裁
国内4例めの判決で地元の裁判所は、先行する道外3地裁と同じく請求棄却を言い渡した(1月15日午後、札幌地方裁判所前)
強制不妊、違憲判断は一歩前進。中絶訴訟では「最低最悪」判決
「原告の請求を棄却する」――。世紀を跨いだ被害の訴えに、司法は耳を塞いだのか、あるいはもとより聴く耳を持たなかったのか。旧優生保護法下で不妊・中絶を強いられた人たちが国を訴えた闘いに、北海道の原告2組が相継いで敗れた。札幌の男性の訴えを退けた裁判所は今回、その判決で新たな違憲判断を示したが、道央の夫婦が起こした訴訟はほぼ門前払いとなり、原告代理人から「最低最悪」と酷評される結果に。司法の救いはまた遠ざかり、国の罪は残り続ける。(取材・文=小笠原 淳)
全国初、実名で原告に札幌・小島さんの60年
「毎日、一度だって裁判のことを忘れた日はありません」と、小島喜久夫さん(1月15日午後、札幌市内)
一歩前進の違憲判断から月を跨ぎ、同じ札幌で「最低最悪の判決」が(2月4日午後、札幌市内)
北海道はかつて広報番組で優生思想を啓発、「異常児は一生の悲劇」と断じていた(1969年製作『私たちの道政』№155の一齣)=北海道立文書館所蔵
「毎日、一度だって裁判のことを忘れた日はありません」と、小島喜久夫さん(1月15日午後、札幌市内)
北海道はかつて広報番組で優生思想を啓発、「異常児は一生の悲劇」と断じていた(1969年製作『私たちの道政』№155の一齣)=北海道立文書館所蔵
一歩前進の違憲判断から月を跨ぎ、同じ札幌で「最低最悪の判決」が(2月4日午後、札幌市内)
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