倉庫の賃料を滞納した挙句、付近にゴミの山を築き、たまりかねた大家が起こした裁判で支払いと明け渡しを言い渡されたにもかかわらず、トンズラを決め込む──。こんな事件が札幌で起きている。
2020年4月、貸している倉庫(白石区川下・延床面積209㎡)の明け渡しと賃料168万円の支払いを求めて札幌地裁に提訴したのは、融雪サービスなどを手がける株式会社大仁商会(札幌市白石区・福士賢一社長)。訴えられたのは借主である株式会社リンクス(同・西谷英敏社長)というリサイクル業者である。
この裁判では原告の主張が全面的に認められリンクスが敗訴。同年8月31日に仮執行付きの判決が同社に言い渡された。ところが、それから3カ月以上が経った現在に至るまで何の動きもなく、なおかつ同社とは連絡が取れない状態になってしまっている。
「弊社がリンクスと倉庫の賃貸契約を結んだのは2016年の夏。そこから滞納がありながら2年間ほどは家賃が支払われていましたが、以後は梨の礫です。賃料の不払いもさることながら、困っているは彼らが集めた中古家電、壊れたクルマなどを倉庫や敷地いっぱいに雨ざらしにしていること。リンクスは遺品回収やリサイクル関係の仕事をしていると聞いており、集めた品の置き場所として利用していたのでしょうが、これでは不法投棄と一緒です」(大仁商会・福士社長)