医療現場で散った命⑩
「誰も恨まないで」
遅咲きの新人看護師は、過剰な「指導」に追い詰められて命を絶ったことを疑われている(亡くなる4カ月前――2013年3月に撮影された卒業記念写真)
看護師パワハラ死訴訟、結審。吃音咎める不適切指導の疑い
7年前の夏、札幌の病院に勤務していた男性看護師(当時34)が自ら命を絶った。強く疑われたのは、吃音があった男性への執拗なハラスメント。当時の上司の指導には、患者さえもが行き過ぎを指摘していたという。労働災害を否定する国を相手に遺族が法廷で闘い始めてから、もうすぐ3年。訴訟は本年6月の証人尋問で結審し、今秋の判決を待つのみとなった。長い闘いを続ける原告の背中を押したのは、本人が最後に遺した一言。「誰も恨まないでください」――。(取材・文 小笠原 淳)
「大丈夫」の一言で内定。4カ月後に訪れた悲劇
遺された家族は、不自然な一言に背中を押された(亡くなる直前に作成されたメッセージの出力紙)
警察官の目標は、幼いころから抱いていたようだ(就学前年の1984年8月、姉と)
本人に吃音があることは、職場の病棟で把握していた筈だった(自筆の自己紹介書)=一部墨塗り処理は本誌編集部
部屋の主は最後の夜に好物の回転寿司を味わった後、翌朝になってから〝必要な物〟を買い求めに出かけたことがわかっている(札幌市内)
遺族は早い時期から労働災害の認定を訴えてきた――過労死問題の報告会で発言する母親(2017年7月、札幌市内)
警察官の目標は、幼いころから抱いていたようだ(就学前年の1984年8月、姉と)
本人に吃音があることは、職場の病棟で把握していた筈だった(自筆の自己紹介書)=一部墨塗り処理は本誌編集部
部屋の主は最後の夜に好物の回転寿司を味わった後、翌朝になってから〝必要な物〟を買い求めに出かけたことがわかっている(札幌市内)
遺された家族は、不自然な一言に背中を押された(亡くなる直前に作成されたメッセージの出力紙)
遺族は早い時期から労働災害の認定を訴えてきた――過労死問題の報告会で発言する母親(2017年7月、札幌市内)
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