満身創痍の中、溢れ出たまちを思う沢山のエール
変化の痛みに耐え、再び賑わいの灯りを
復活に向け闘志を燃やす青木社長(5月26日午後、北海道ジンギスカン蝦夷屋で)
APR TRADING 青木康明代表
新型コロナウイルスの感染拡大により3カ月以上もの長きにわたり営業自粛を強いられたススキノの飲食店。感染への恐怖に起因する客離れは、休業要請の解除後も回復の目途は不透明だ。加えて、いわゆるソーシャルディスタンス対策のため集客数の削減も余儀なくされ、従来通りの収益確保の望みもほぼ絶たれている。こうした中、“ススキノ再起動”を掲げるのがAPRTRADINGの青木康明代表だ。このまちの再起を目指す若き担い手の奮戦とは──。
第1波目の対策は選択と集中
店頭でのテイクアウト販売にも力を入れた(写真はススキノの「Bettie(ベティ)64」前)
店頭でのテイクアウト販売にも力を入れた(写真はススキノの「Bettie(ベティ)64」前)
寄せられた沢山の応援の声
この事態を受け、APRグループは思い切った事業縮小を決断する。
「僅かでも飲食店営業を続ける店を残したい」という思いから、「月夜のたぬき」「黒の50」「ちょっと一杯」の3店舗は開けたが、ほかは一斉に臨時休業。そして4月上旬からは「Bettie64」「北海道ジンギスカン蝦夷屋」「月夜のたぬき」の3店舗で、テイクアウト&デリバリー事業を開始した。休業中の店の食材を同3店舗に集約させる形で商品を製造。その告知には青木氏自身、自粛期間中でも営業している法人への売り込みなどに力を入れたが、休業中のスタッフから「何かできることはありませんか」との申し出も多数寄せられ、そのマンパワーで宣伝ビラのポスティングなどにも熱心に取り組んだという。
「ビラを見て注文をくれたお客様の所へ実際配達に行くと、『ススキノの飲食店、すごく大変そうだけど頑張ってね』といった温かい励ましの声も頂きます。
目次へ
© 2018 Re Studio All rights reserved.