「外出自粛」で起きた悲劇
“コロナDV”加害者は報道人

2020年6月号

くだんのデスクはNHKから民放に移籍、報道畑が長く、キー局に出向した実績もあるという(札幌市中央区のSTV本社)

STVデスク、虐待で逮捕。過去には女性問題や横領も

国や自治体の外出自粛要請が続く中、それを伝える立場の報道関係者が自宅で暴行事件を起こし、逮捕された。被害を受けたのは、同居する小学生の娘。事件を受け、加害者が勤務する民放局は「厳正に対処する」と表明したが、局の内部からは「別の問題で処分されたばかりなのに」との声が漏れ聴こえてくる。休校中の娘に手を上げたその人には、もともと
複数の“余罪”があったというのだが…。(取材・文=小笠原 淳)
 

“木鐸”自ら事件当事者に

 
 事件を伝えた北海道警察の『報道メモ』に、容疑者の職業は「会社員」とのみ記されている。職場の名は、その日のうちに報道各社のニュースで明かされた。発信元には、当の「会社」自身も含まれる。
《女子小学生の背中を十数回殴るなどの暴行を加えたとして、道警はSTV社員の男を現行犯逮捕しました》(STV公式サイト4月16日付)
 暴行の現行犯で逮捕されたのは、札幌テレビ放送(STV、根岸豊明社長)報道局に勤める男性デスク(55)。4月16日午前、札幌市中央区の自宅で同居する10歳代の娘に暴力を振るい、その場で被害者に110番通報された。
 業界ではおりしも、外出自粛による家庭内暴力“コロナDV”が話題となり始めたころ。もとより多くの社会問題に警鐘を鳴らす立場の報道関係者が自ら当事者となったことで、事件は驚きをもって受け止められた。発表を受け、STVは公式サイト上で「このような事態を招いたことは誠に遺憾」とコメント、視聴者への謝罪を表明している(本頁下部に全文)。
 

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STVは逮捕当日に謝罪コメントを発表、事件には「厳正に対処する」とした(同社公式サイトから)

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