首相批判封殺の波紋⑧
「荒唐無稽な説明」続出

2020年5月号

国家賠償訴訟の第2回弁論では、弁護団が新たに提出した証拠映像が上映された(昨年7月15日午後、札幌市中央区のJR札幌駅南口広場)

道警 国賠訴訟でも「適法」主張。排除正当化 根拠は「ヤフコメ」

参議院議員選挙期間中の昨年7月に札幌で起きた、北海道警察による首相演説野次排除事件。当日の排除行為をすべて「適法な職務執行だった」と議会報告した道警は、2人の排除当事者が提起した裁判でも同じ主張を繰り返すことになる。年度初頭には2度めの弁論に併せて再びの刑事告訴と検審申し立てがあり、溯って3月には議会でまた新たな事実が明かされていた。「適法」である筈の警察措置に、疑念の声が止むことはない。(取材・文 小笠原 淳)
 

道警報告「失望」と原告。国賠・追加提訴で陳述

 
「何の法律に違反しているのかを訊いても『大声出さないで』とか『落ち着いて』などとしか言われず、具体的な法的根拠はなんら示されませんでした」
 札幌市の団体職員・絹田菜々さん(仮名・24)は、時折り感情の高ぶりに言葉を詰まらせ、顔を紅潮させながら陳述を続けた。
「誰とも知らない大人数の屈強な人間たちに突然連れ去られそうになって『落ち着け』と言うほうが、どうかしています」
 語りの合間に、自身の右前方へ鋭い眼を向ける。視線の先には、北海道警察の訴訟代理人たち。そこへ投げつけるように発する声は、次の一節でひときわ大きくなった。
「平然と事実を捏造し、嘘をつく警察には…、改めて失望しました。事実そのものを捻じ曲げるというのは、不誠実な姿勢だと言わざるを得ません」
 4月3日午後、札幌地方裁判所。原告として初めて迎えた口頭弁論で、思いの丈を言葉に載せた意見陳述は約8分間にわたって続いた。
 

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幕が開いた「杉澤劇場」

ヒグマ駆除裁判で逆転判決
全面敗訴にハンター動揺

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江差パワハラ裁判で初弁論

自公大敗は本当に「政治とカネ」だけだったのか!?

訴訟への関心は大きく、傍聴できなかった人たちの多くが報告集会に足を運ぶことに(4月3日夕、札幌市内)

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