自粛と景気回復努力の狭間で
道内経済は薄氷の上に──

2020年5月号

3月18日夜、北海道庁本庁舎2階の記者会見室で道の緊急事態宣言・解除理由を説明する鈴木直道知事

社会を一気に凍り付かせた道の“緊急事態宣言”の衝撃

4月7日には政府の緊急事態宣言が発令されるまでに至った新型コロナウイルス問題。これに先立ち北海道では、2月28日に鈴木直道知事により出された法的根拠の無い緊急事態宣言が、“爆発的な感染拡大は回避された”として3月19日に解除。だが予断を許さない状況にあることは変わらず、道や札幌市の観光関連施設が4月1日付で相次ぎ営業再開に舵を切った一方で、著名なイベントや祭りの中止決定が連日のように発表されている。そして前述の緊急事態宣言は観光客・地元住民の区別なく人の動きをことごとく萎縮させ、関東以北最大の歓楽街ススキノに至っては今や青息吐息だ。ウイルスそのものは人の身体を蝕むが、ウイルスによる恐怖感や疑心暗鬼は、生きる上に必要な人と人との繋がりを断つ。全世界の人々にも言えることかもしれないが、いま我々は薄氷の上に立っているに等しい──。(取材=本誌編集部・構成=髙橋貴充)
 

SARSの流行時は回復までに半年以上

 
「一言で言うと惨憺たる状況」
 新型コロナウイルスの感染拡大に起因するシティホテル業界の窮状について、ホテルオークラ札幌・社長で日本ホテル協会・北海道支部長も務める宮崎誠氏はこう言い表した。
「(札幌のシティホテルで)3月の宿泊稼働率が前年と比べ2割に達したら良い方、というのが現状での同業者間の共通認識になっています」
 ホテル業は、全般的に事業収入の3割ないし4割が人件費に充てられているという。だが前述した状況では、人件費分の収入を得ることすらままならない。そして当然ながら、運営には人件費以外のさまざまな経費も日々発生している。すなわち今日のホテル業界は内部留保の切り崩しや運転資金の借り入れなど、文字通り身を削りながら何とか遣り繰りしている、というのが実情のようだ。
 また、宴会需要の冷え込みは宿泊以上に深刻だという。本来なら3月は、クリスマスや忘年会シーズンの12月と同様に、歓送迎会などで売上が大きく跳ね上がる繁忙期。だが今年は、「当ホテルでは、受注済みだった宴会の95%がキャンセルになりました。とはいえ同様のことは、当社や札幌市内の同業者に限らず全国のホテルで起きています。
 

ホテル業界の窮状を話すホテルオークラ札幌の宮崎誠社長

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「受け入れ準備は整っている」とTAKEの武山眞路会長

「今日の円山動物園」動画を撮影する飼育員(写真提供・札幌市円山動物園)

4月1日午前、営業再開直前の札幌市円山動物園西門。人出は決して多くはないが、子供たちの笑い声がこだましていた

道内の新入学生への「白い恋人」寄贈式の様子(左が石水創社長、右が鈴木知事)

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