指定管理者の訴訟でマオイゴルフリゾートが営業ストップ
施設修繕費の負担をめぐり長沼町と恵庭開発が泥仕合

2020年3月号

マオイゴルフリゾートのクラブハウス

夕張郡長沼町(戸川雅光町長)で指定管理者制度を導入した「マオイゴルフリゾート」の施設修繕をめぐって町と指定管理者である恵庭開発(本社札幌)が対立している。同社は、クラブハウスの屋根とコースの橋梁について来場者の安全を確保できないほど劣化が進行しているとして町に修繕を要求。町は指定管理者側に修繕義務があるとして応じなかったため、同社は昨年末、町を相手取って修繕請求訴訟を札幌地裁岩見沢支部に提起した。指定管理期間は5年間で期間満了まであと2年間。今回の裁判沙汰で修繕は棚上げ状態になり、今シーズンの営業は絶望的だ──。(佐久間康介)
 

食い違う指定管理協定の解釈

 
「マオイゴルフリゾート」は、長沼町東5線北10番地の丘陵地を利用して1994年7月に開業した。
 敷地の総面積は約227万7843㎡、27ホールのゴルフ場やショートコース、テニスコート、ホテルを備えたリゾート施設で、JR北海道と住友商事、鴻池組の3社共同で約140億円を投じて造成した。
 だが開業したころにバブルが崩壊。このため開業後は業績が低迷。回復の見込みがないとしてオープンからわずか6年後の2000年11月、住友商事など3社は同リゾートを長沼町に無償で寄付することを決めた。その後、同リゾートは町の第3セクター、長沼振興公社が運営してきたが、赤字から脱却できず町の補填が続いたため指定管理者制度を導入することを決め、町の審査を経て恵庭開発が2017年1月から21年12月末までの5年間運営を担うことになった。
 

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長沼町は争う姿勢(写真は長沼町役場)

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