旭川医大で浮上した元脳神経外科教授の強制猥褻疑惑
意識のない医局女性を脱がしわいせつな動画を撮影、編集

2020年2月号

教授の不祥事が続く旭川医科大学(旭川市緑が丘)

元教授の異常行為と大学の隠蔽体質

昨秋から教授の不祥事が続いている国立大学法人旭川医科大学(吉田晃敏学長・以下旭川医大)で新たな疑惑が浮上した。昨年3月にキャンパスを去った脳神経外科学講座の元教授が、あろうことか自分の医局スタッフに猥褻行為を働き、それらを自ら撮影していたというのだ。発覚後、大学側は事件を隠蔽し、この元教授は依願退職という形で責任を問われることなく札幌近郊の病院に再就職を果たしたという。税金が投入されている国立の医育機関でいったい何が起きていたのか──。 (本誌編集長・工藤年泰)
 

そこに見覚えのある顔が

 
 話は約1年前に遡る。事件の舞台は旭川医科大学脳神経外科学講座の医局、総合研究棟4階での出来事だ。
 その日、2019年2月12日。主人が不在の教授室に医局の職員が清掃や片付けのため立ち入った時のことだった。作業の振動がマウスに伝わったのか、教授のパソコンのスリープ状態が解除され、ふいにデスクトップ画面が現われた。
 職員が何気なくスクリーンに目を向ける──。だが、ほどなくしてその職員は事の重大さに衝撃を受けることになる。
 デスクトップ画面にはいくつかの動画や静止画が開きっぱなしになっており、それら全てが猥褻な内容だった。それだけならまだ良かった。何故ならそういうことは以前にもよくあったからだ。「先生がパソコンでいやらしい動画を流しっぱなしにして外出しています」。医局にこんな報告をしなければならなかったことは一度や二度ではない。
 この職員が心の底から驚いたのは、それらの猥褻映像の中に見覚えのある人物を見つけたからだ。それは他ならぬ自分の医局に所属する女性スタッフのひとりだった。
 このことは直ちに医局幹部に伝えられ、駆けつけた同幹部もそれらの映像を確認。速やかに吉田晃敏学長にも報告された。その日、医局に駆けつけ内容を把握した吉田学長は、怒り心頭だったという。
 ここで、はっきりさせなければならなかったのは、この被写体女性=医局スタッフが撮影に同意していたかどうかだった。
「というのも、その女性が意識のない状態で撮られていたからです」(医局関係者)
 

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