道アイヌ協会が幹部不祥事を隠蔽か。
本人の退会を翻意させて理事で温存

2020年1月号

道アイヌ協会の加藤忠理事長の左側が苫小牧アイヌ協会の澤田一憲会長(9月23日、新ひだか町でのシャクシャイン法要祭)

苫小牧アイヌ協会会長に浮上した強制性交疑惑
 

 

 公益社団法人北海道アイヌ協会(本部札幌・加藤忠理事長、以下道アイヌ協会)が幹部の処遇をめぐり迷走している。
 道アイヌ協会理事で苫小牧アイヌ協会会長の澤田一憲氏(64)の不祥事を受け、会長辞任と退会という形で本人にケジメをつけさせようとした苫小牧アイヌ協会に上部組織として圧力をかけた疑いが浮上しているのだ。
 事件は、新ひだか町(日高管内)でアイヌ文化フェスティバルが開催された10月19日の夜に起きた。
 町内の公民館を会場にして公益財団法人アイヌ民族文化財団が主催した同フェスでは、東大准教授の近藤修氏による基調講演をはじめ貝澤守氏による木彫実演、髙野啓子氏による刺繍実演などが行なわれ、全道各地のアイヌ協会から多くの関係者が参集した。澤田会長率いる苫小牧アイヌ協会も10名程度が参加し、有志による踊りなどを披露。一行はその夜、町内のホテルに一泊。打ち上げをして翌20日に地元に帰るスケジュールだったという。
 関係者の話をまとめると、澤田会長は夜12時近くまで幹部らと飲食。その後、同じホテルに宿泊していた同協会の女性会員の部屋を訪れ、乱暴に及んだとされている。
「はじめ澤田は呼びつけたそうです。メールを送り自分の部屋に来いと。女性が断りの返信をすると、ほどなく部屋のドアがノックされ、開けるとそこに澤田が立っていたというんです。驚いて声を失っていると、澤田がそのままズカズカと部屋に入ってきた。そこから露骨に言えば強姦されたということです」(被害女性の親族)
 自分が所属する苫小牧アイヌ協会のトップから思いもしなかった乱暴を受けた女性は、地元に帰ってから協会幹部や仲間と相談。事件があった3日後の同22日に地元の警察に出向き、被害届を出すに至った。
 事態を重く見た同協会も動いた。幹部たちは24日午後に地元の生活館(地元のアイヌ協会が利用する集会所的な施設)に澤田会長を呼び出し、事件と今後について本人の考えを質したという。
 その場にいた一人はこう話す。
「彼女(被害女性)から話を聞いた。オマエ何やってんだと問い詰めたら、澤田は、“俺が悪かった。アイヌ関係の役職は全部辞める”と涙ながらに謝罪しました。苫小牧アイヌ協会の会長職を返上するのはもちろん、いったん協会も退会すると、その場で皆に約束したんです」
 その姿を目の当たりにした幹部らは「分かった。そうすべきだ。そうであれば我々も話を大きくしない。被害を与えた相手は警察に行ったが、誠意を尽くせば示談にしてもらえるかもしれない」と諭して午後5時ごろに彼を帰したという。
 ところが、この夜の間に澤田会長の態度が一変する。
 

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