道警不祥事から考える〈37〉
元警部補、13年後の再犯

2020年1月号

その不祥事の記録(上から2段め)に、北海道警察は「建造物侵入」の罪名を明記していた(北海道警察が作成した2018年11月の『監督上の措置一覧』)

性被害訴える女性に二次被害不起訴処分には「不当」議決

《本件不起訴処分は不当である》。検察の処分を検証する第三者機関がその議決に到ったのは、2019年11月のことだった。審査されていたのは、前年の9月に起きた建造物侵入事件。容疑者の現職警察官(当時)は、別の事件で被害を訴える女性が夫とともに経営する飲食店を訪ね、30分間以上にわたって恫喝まがいの言動を繰り返したという。彼が事件捜査の対象になったのは、その時が初めてではなかった――。(取材・文 小笠原 淳)
 

「ヤクザのやり口だぞ」居座り恫喝、30分超

 
 12月初旬、札幌市内の分譲マンション駐車場。
「粛々と、検察庁の方の(捜査を)ね、うん…」
 自らが起こした事件について、その男性は多くを語ろうとせず、本稿記者の問いかけに「何も言えない」と繰り返すばかりだった。この数日前に捜査機関から「通知が届いた」ことを明かした彼は、1年ほど前にいったん終わった捜査の再開を知っていた筈だ。現職警察官だったその人は2018年11月、建造物侵入の疑いで書類送検されていた。
 事件そのものが起きたのは、胆振東部地震の発生から間もない同年9月17日の夕刻だった。
 

元警部補は客を装ってコーヒー店に侵入、店の奥まで入り込み、退去の求めに従わず居座り続けたという(2018年9月17日夕、札幌市内)=防犯カメラの映像から

検察審査会が公開した『議決の要旨』には、取り調べ段階の元警部補の供述が採録されている(11月下旬、札幌市中央区の札幌検察審査会掲示版)

侵入事件は札幌市内警察署の刑事一課が捜査、検察に事件送致されたが、のちに不起訴処分となった(北海道警察が一部開示した『方面本部長事件指揮兼処理簿』)

中和興産
幕が開いた「杉澤劇場」

ヒグマ駆除裁判で逆転判決
全面敗訴にハンター動揺

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江差パワハラ裁判で初弁論

自公大敗は本当に「政治とカネ」だけだったのか!?

元警部補は住居侵入事件の現行犯逮捕から13年あまりが過ぎた時点でなお、現職警察官として勤務していた(2005年7月14日付『函館新聞』)

訓戒処分後に元警部補は退職、最後の所属はかつての暴力団捜査担当部署ではなく、おもに制服警察官が勤務する地域課だった(帯広市の帯広警察署)

元警部補は客を装ってコーヒー店に侵入、店の奥まで入り込み、退去の求めに従わず居座り続けたという(2018年9月17日夕、札幌市内)=防犯カメラの映像から

検察審査会が公開した『議決の要旨』には、取り調べ段階の元警部補の供述が採録されている(11月下旬、札幌市中央区の札幌検察審査会掲示版)

侵入事件は札幌市内警察署の刑事一課が捜査、検察に事件送致されたが、のちに不起訴処分となった(北海道警察が一部開示した『方面本部長事件指揮兼処理簿』)

元警部補は住居侵入事件の現行犯逮捕から13年あまりが過ぎた時点でなお、現職警察官として勤務していた(2005年7月14日付『函館新聞』)

訓戒処分後に元警部補は退職、最後の所属はかつての暴力団捜査担当部署ではなく、おもに制服警察官が勤務する地域課だった(帯広市の帯広警察署)

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