“核のゴミ”レポートPART16 「文献調査」をめぐって揺れる寿都町の住民運動の現在
暴走、許すまじ──
寿都湾沿いに林立する風力発電所。全国に先駆け町が運営し、成果を上げてきた。洋上風力構想を模索する過程で、“核のゴミ”処分地の「文献調査」に向けた、国やNUMOの“撒き餌”に飛びついてしまった
水産加工の担い手を中心に広がる「応募撤回」のうねり
8月13日の北海道新聞が後志管内寿都町が“核のゴミ”最終処分に向けた「文献調査」に応募を検討中であることを報じて以降、この問題は全国に大きく発信されている。片岡春雄町長の頑なな姿勢は住民の反発を招き、水産加工業者や主婦らが立ち上がり、「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」が誕生。「町議会の全員協議会の議事録の公開を」「町長だけの判断で応募できるのは法律の欠陥」「文献調査だけで20億円を支払う制度はおかしい」などと主張し、住民投票条例の直接請求や署名活動、講演会の開催などを通して運動の輪を広げてきた。水産業が盛んな寿都町を訪れ、この問題に対する「町民の会」の人たちの率直な声を聴いた。(ルポライター・滝川 康治)
水産加工の若手や女性が参加。小泉元首相の講演会に手応え
「町民の会」には若手の水産加工業者や女性たちの姿が目立ち、小泉元首相の講演会の準備を進める
「裏方で若い人たちを支えたい」と話す槌谷和幸さん。定年前にUターンし、ペンションを営む
講演に訪れた小泉元首相と話し合う南波さん(右奥)(なんば・ひさし)1961年寿都町生まれ。寿都高校、東海大学広報学科を卒業後、東京都内の広告代理店に勤務。2016年父親の他界を機にUターンし、約100年前に創業した水産加工業の老舗・㈱カネキ南波商店の常務取締役を務めている
寿都ブランドの水産品「生炊きしらす佃煮」は伝統の製法で作られる(「道の駅みなとま~れ寿都」で)
「町民の会」には若手の水産加工業者や女性たちの姿が目立ち、小泉元首相の講演会の準備を進める
「裏方で若い人たちを支えたい」と話す槌谷和幸さん。定年前にUターンし、ペンションを営む
講演に訪れた小泉元首相と話し合う南波さん(右奥)(なんば・ひさし)1961年寿都町生まれ。寿都高校、東海大学広報学科を卒業後、東京都内の広告代理店に勤務。2016年父親の他界を機にUターンし、約100年前に創業した水産加工業の老舗・㈱カネキ南波商店の常務取締役を務めている
寿都ブランドの水産品「生炊きしらす佃煮」は伝統の製法で作られる(「道の駅みなとま~れ寿都」で)
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