ルポ 「ひきこもり」(48) ─ 不登校に向き合い、がんに倒れた女性【前篇】
困難の末につかんだ「気づき」で死ぬまで親たちに送ったエール

2019年9月号

子供は親の期待に応えようとする(写真は本文と関係ありません)

「親たちにハンカチを振るように、子育てを応援したい」──8年前、そんな思いから「ハンカチの木」という子育てサークルを立ち上げた女性がいた。我が子の不登校から親の過剰な期待や過保護、過干渉が子供を追い詰めていくことに気づいたその女性は、幼い子供をもつ親たちにそのことを伝えていくことを決意した。全ては子供を苦しませないため。がんに倒れ、活動は志半ばで終わったが、彼女の思いは今も親たちに受け継がれている。その彼女の足跡を2回に分けて辿りながら、改めて親子関係の修復について考えてみたい。(武智敦子)
 

お母さんはいつも太陽で

 
「ただひとつの命から親や兄弟などいくつもの命を与えられ、共に歩くパートナー、最愛の命も与えられた。どれだけ与えられてきたでしょう。それ以外に何を望みますか? 与えられている今を実感してください」
 これは家族会を主宰する女性Sさんから白鳥文絵さん(仮名)に寄せられたはがきの一文だ。7年前に58歳で亡くなった文絵さんは、このメッセージを支えに死の直前まで子供の不登校やひきこもりに悩む親たちにエールを送り続けた。
 記者がSさんの自宅で文絵さんと出会ったのは10年ほど前。不登校を経験した男の子の母親で、がん患者だった。
 子供の苦しさに気付いてほしい――。闘病生活を送りながら、自分の体験や学びを手紙やサークル活動で伝えようとする姿は壮絶でもあった。ひきこもりの長期高年齢化、「8050問題」が深刻化する今、文絵さんの深い思いや生きた証を辿ってみたい。
 

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子供との接し方など家族会では多くのことを学んだ

がん治療を受けながら親たちの子育てを応援した文絵さん

絵が得意だった文絵さんは、愛犬をモチーフにした手製の絵はがきを多く残した

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