奪われた刑余者の人権
罪、償ったのに…
衆人環視下での二十四時間監視を、警察は「安全・安心のため」だったとしている(札幌市東区の札幌方面東警察署)
警察が出所男性を公然監視。ネット上には不安煽る虚報
6月中旬、札幌刑務所を出所した男性が二十四時間体制で警察に監視され続け、その様子がSNSやワイドショーなどで発信された。法治国家では、罪を犯したことを疑われていない人が捜査の対象になることはない。実際、警察が理由なくその男性を捜査することはなかったものの、出所直後から数人の私服警官に囲まれて社会生活を再開した彼は、たちまち好奇の眼に晒されることになった。根拠のない不穏な噂さえ飛び交った“事件”の顛末は――。(取材・文 小笠原 淳)
情報拡散、出所直後から
男性と警察官らは警察署の管轄を越えて移動を続け、各地でその姿を目撃された(6月14日午後6時47分、石狩管内の国道沿い)=当地の読者が撮影
男性と警察官らは警察署の管轄を越えて移動を続け、各地でその姿を目撃された(6月14日午後6時47分、石狩管内の国道沿い)=当地の読者が撮影
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