ルポ「ひきこもり」(46) ──【緊急特集】川崎連続殺傷事件を受けて
「ひきこもり」強調の報道に声をあげる支援者と当事者

2019年7月号

当事者団体と家族会が川崎連続殺傷事件の報道に対して出した声明文

懸念される偏見・負のイメージに「待った」

神奈川県川崎市多摩区登戸の路上で5月28日、児童や保護者20人が殺傷された通り魔事件の報道をめぐり、犯行直後に自殺した容疑者が「ひきこもり傾向」であったことが強調されたことが波紋を広げている。31日には当事者団体の一般社団法人「ひきこもりUX会議」が、6月1日にはNPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会が、「当事者や家族の不安、偏見を助長するような報道は控えてほしい」などとする声明文を公表。ひきこもりが犯罪予備軍であるかのようなイメージを助長する報道の在り方に一石を投じている。ネット上では「死にたければ1人で死ねばいい」とする非難が殺到したこの事件。一連の報道から事件の背後に透けて見えるものとは何か──。支援者や当事者ら5人に訊いた。 (武智敦子)
 

NPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(札幌市)
理事長 田中敦氏(53)


 今回の事件報道では「ひきこもり」という言葉がキーワードとして使われている。同様の事件が起きるとひきこもりや無職であることがあえて強調される傾向にあります。
 また、80代の伯父伯母と50代のひきこもり傾向にあった容疑者が同居していたことから、「8050問題」がクローズアップされていますが、8050問題はひきこもりだけに限定した問題ではない。いわゆる介護離職をきっかけにひきこもる人もいれば、生活のままならない非正規の人もひきこもっていく可能性があります。
 今回の事件もひきこもりだから事件を起こしたのではなく、背景にあるのは社会的な孤立だと思う。ひきこもっていなくても社会的に孤立しがちな人はさまざまな課題を持ってしまうし、悩みを深めた結果事件を起こす可能性はあるのです。
 

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田中敦氏

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