スガイディノスの復活を引き受けた小笠原一郎 会長に訊く
魅力あるコンテンツで再勝負

2019年4月号

小笠原一郎 会長

道民にとって馴染み深いエンターテイメント基地「スガイディノス」。ここの再生請負人となったのが注目の若き経済人、小笠原一郎氏(37)だ。親会社ライザップ(本社東京)のグループ事業再編に伴い、SDエンタテインメントから分社化されたスガイディノス(本社札幌)の新体制がスタートしてまもなく3カ月。小笠原氏が組成したファンド、北海道SOキャピタルによって新たな翼を得た同社はいま、同氏を会長に迎え新たな戦略で成長を目指そうとしている。これまでなかった手法で地域経済に活力をもたらす小笠原氏を直撃した。(3月1日取材)
 

資金力と企業の知恵を融合“新しい価値”を創造したい

障害者福祉事業が軌道に乗る中で舞い込んできた譲渡案件

 ──元々は公認会計士・税理士事事務所から出発された。

 小笠原 プロフィールを少し言うと、1981年8月、伊達市生まれで伊達中学校、室蘭栄高校、明治大学を卒業してKPMGあずさ監査法人に就職しました。以後東京で3年半、札幌で3年半勤務したのち、30歳で札幌市内に「小笠原一郎公認会計士・税理士事務所」を設立して独立したんです。その後、2011年に障害者福祉の事業も立ち上げました。

 ──障害者福祉の仕事とは。

 小笠原 お金に困った障害者が、あえてワンカップのお酒を盗んで刑務所で年越しをするという話を聞いたことがあり、そんな人たちを何とか助けたいと思ったのが事業を始めたきっかけです。以前から福祉には関心がありましたが、叔父(小笠原篤夫・医療法人社団栄会理事長)が老人福祉関係の事業をしているので、私は障害者福祉の分野を手掛けたいということもありました。
 千葉県で障害者福祉の事業をしている知人を訪ね勉強し、札幌でグループホームと就労継続支援B型の事業を始めました。現在は、旭川市内を入れてグループホーム8カ所、通所事業所3カ所を運営し、80人ほどが入所しています。
 この事業で幹部が育ってきて、少し余裕が出てきたところにスガイディノスの話が来ました。元々公認会計士で税理士ですから事業計画の策定は得意ですし、監査法人に勤務していたころには金融機関の監査にも携わっていました。会計に通じている経営者ということで今回、縁あってスガイディノスの経営を引き受けることになりました。
 

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