札幌・アパマン爆発事件「何かが墜落したのかと」

2019年2月号

手前にあった不動産仲介店の建物は跡形もなく吹き飛び、棟続きの居酒屋は瓦礫と化した(12月22日午前、札幌市豊平区)

不動産「アパマン」店舗で爆発、被害者の記憶、今なお生々しく

暮れも押し迫った日曜の夜、札幌・平岸地区。不意の爆発音に住宅街が顫えた。不動産店が跡形もなく吹き飛び、棟続きの居酒屋を炎が包む。四囲の住宅では爆風で窓ガラスが割れ落ち、弾け飛んだ瓦礫が路上の車輌を直撃した。区境を超えて響いた轟音を間近で聴いた人たちはその一瞬、何が起きたのか理解できなかったという。年を跨いでなお衝撃冷めやらぬアパマンショップ爆発事件。惨状の目撃者は、問い続ける。「なぜあんなことが起きたのか」――。
 

轟音、衝撃、叫び声…「犠牲者ゼロ、奇蹟だった」

 12月17日、日曜日。
 4年前の夏に札幌市中央区でラーメン店「麺屋169」を開業した伊藤英樹さん(50)はその日、同業者と連れ立って豊平区の居酒屋に足を運んだ。翌日の月曜は自身の店の定休日。双方の家族も合わせた7人で2階北端の小上がりに腰を下ろしたのは、午後6時ごろのことだった。
 2時間の飲み放題コースは8時で終了。もしもその時点で散会していたら、のちの悲劇に遭わずに済んだことになる。だが一同は、店に延長利用を申し出た。
 29分後、その宴席が修羅場となる。「一瞬だった。空から何か墜落してきたのか、それとも壁にぶつかったのか」
 轟音と同時に天井が崩落、割れた蛍光灯や食器が辺りに散乱した。片側2車線の「平岸街道(国道453号)」に面した壁が抜け落ち、向かいの店舗の灯りが見える。ほどなく、残った壁や柱が火に包まれ始めた。とくに炎が激しかった南端の壁近くから、半狂乱になった女性客の悲鳴。
 

居酒屋で被害に遭った伊藤英樹さんは、怪我の治療後も動悸や耳鳴りなどに悩まされ、心療内科を受診することになったという(12月29日夕、札幌市中央区の「麺屋169」)

運営会社の佐藤大生社長(右端)らは「できる限りの補償」を目指すというが、被害総額はなお定かでない(12月22日夜、札幌市豊平区)

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伊藤英樹さんとその家族は、爆発の直後にスマートフォンで店内の惨状を撮影していた(いずれも12月17日午後8時37分ごろ、札幌市豊平区)

 

 

居酒屋で被害に遭った伊藤英樹さんは、怪我の治療後も動悸や耳鳴りなどに悩まされ、心療内科を受診することになったという(12月29日夕、札幌市中央区の「麺屋169」)

伊藤英樹さんとその家族は、爆発の直後にスマートフォンで店内の惨状を撮影していた(いずれも12月17日午後8時37分ごろ、札幌市豊平区)

 

 

運営会社の佐藤大生社長(右端)らは「できる限りの補償」を目指すというが、被害総額はなお定かでない(12月22日夜、札幌市豊平区)

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