ガバナンスが劣化する札幌市の清掃委託業者
北清企業で職員が大量退職

2019年2月号

北清企業の家庭ごみ収集車(札幌東区の本社)

“北の大地を汚す”大嶋元社長を幹部らが背任と不法行為で告発

札幌市の清掃事業を担う委託業者、北清企業株式会社(本社札幌市東区・高橋俊一社長、以下北清企業)が、かつてない危機に直面している。昨春のトップ交代以降、職員が大量退職する異常事態に見舞われているほか、本誌が報じた「知床解体事件」で責任を問われた大嶋武社長(当時)の背任行為の実態が現役幹部たちの証言で明らかになってきた。劣化するガバナンスと危機的なコンプライアンス──。今年、創業半世紀を迎える「北清グループ」でいったい何が起きているのか。 (本誌編集長・工藤年泰)
 

公益事業を担う北清企業

「ジャーナルさんが書いた知床の解体事件で法令違反を犯したうえ、経済的に会社に大損害を与えたにもかかわらず、いまだに大嶋(株式会社北清社長・54)はグループ企業のトップに居座り続けています」
 記者を前に、こう口を揃えるのは道都・札幌における清掃事業の一端を担う北清企業の現役幹部らだ。「問題の背景には、大嶋の義父である川井会長(創業オーナーの川井雄一氏)が80歳と高齢となり、判断能力を失ってきたことがあります。それをいいことに、会長の側近とつながる大嶋が事件以後もグループ人事に干渉。その結果、企業統治が劣化し、法令遵守も危機に陥っている有様です」(同)
 

現在は株式会社北清の社長である大嶋氏

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知床ウトロ地区にあった「花ホテル」の解体現場(2016年春)

北清企業本社(札幌市東区北丘珠)

株式会社北清の事務所(札幌市東区北丘珠)

現在は株式会社北清の社長である大嶋氏

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