連携企業の「協定破棄」で挫折した下川町のSDGsモデル事業
原因は背伸びと補助金頼み伝わらなかった町の“熱量”
現在は郷土資料の収蔵施設になっている旧一の橋小学校。一帯は高齢・過疎化が進み限界集落になっている。この校舎を今年中に改修・整備し、SDGsのモデル事業第1号になる、町と道外の2法人によるチョコレート製造事業に着手する計画だった
SDGs(持続可能な開発目標)モデル自治体の上川管内下川町(谷一之町長)が進めていた道外法人とのチョコレート製造事業計画が10月上旬、連携先から「連携協定を破棄する」旨の通知を受けて挫折した。昨年夏の協定締結から1年余り、事業計画の詰めの甘さから町内での合意形成がなされず、今春の町長選の争点にされたことなどに連携先が懸念を表明したためだ。過去10年間ほど、国のさまざまなモデル事業を導入し、町外から高評価を得てきた同町での「SDGs事業第1号」失敗に至るまでの経緯を振り返り、自治体やまちづくりのあり方を考えてみた。 (下川町在住ルポライター・滝川 康治)
“ボタンの掛け違い”などから協定の締結から1年で破談に
苦渋の表情で報道発表に臨んだ谷一之町長(10月24日、下川町役場で)
記者会見の配布資料はA4判のペーパー1枚だけ。会見の体を成していなかった
昨年7月、札幌市内のホテルで行なわれた連携協定の調印式。左端がベルシステムの柘植社長、右端がラ・バルカグループの夏目代表理事
苦渋の表情で報道発表に臨んだ谷一之町長(10月24日、下川町役場で)
記者会見の配布資料はA4判のペーパー1枚だけ。会見の体を成していなかった
昨年7月、札幌市内のホテルで行なわれた連携協定の調印式。左端がベルシステムの柘植社長、右端がラ・バルカグループの夏目代表理事
目次へ
© 2018 Re Studio All rights reserved.