検証「泊原発は本当に必要なのか」(35)
大間・泊の稼働停止を妨げる破綻した核燃サイクルの亡霊

2018年7月号

函館山から見た函館市内。大間原発で事故が起きれば被害が出るのは避けられない

プルサーマルの夢から醒めない原子力ムラ

電源開発株式会社が下北半島先端にある青森県大間町で建設中の大間原子力発電所をめぐっては、建設差し止めなどを求める2つの裁判が続いており、泊原発廃炉訴訟の原告団も訴訟の行方を注視している。大間原発と泊原発3号機はウランとプルトニウムの混合酸化物燃料(MOX燃料)を使用する原子炉。国は核燃料サイクルを維持し、プルトニウムを減らすためにいずれも稼働させたい思惑だ。しかし、活断層をめぐる安全性の問題など大間原発と泊原発に共通する課題は多く、泊原発再稼働に反対する市民団体と大間原発建設に反対するグループでは連動した動きが加速している。(ジャーナリスト 黒田 伸)

大間原発が及ぼす壊滅的被害

 今年4月下旬のこと。東京から新千歳空港へ向かう旅客機の左側座席で窓をのぞいていると、大間原発のある下北半島の大間崎と函館山などがある亀田半島の汐首岬が一緒にカメラのファインダーに収まる瞬間が訪れ、思わずシャッターを押した。

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新千歳行きの旅客機から見た下北半島(左)と函館のある亀田半島(右)

札幌市民向けに開かれた竹田とし子さんの講演会(5月31 日、札幌エルプラザで)

竹田さんは大間原発訴訟の会代表でもある

函館の観光名所、金森赤レンガ倉庫付近。大間原発は対岸約30 キロにある

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