優生思想の罪、法廷へ 「おれは、国を許さない」

2018年7月号

北海道はかつて広報番組で優生思想を啓発、「異常児は一生の悲劇」と断じ、「不幸な子供を産まない運動」などの取り組みを紹介していた(1969年製作『私たちの道政』No.155 )=北海道立文書館所蔵

強制不妊、実名告発の男性が国を提訴
「優生保護」補償求め、全国弁護団結成

不良な子孫の出生を防止する――。20余年前に大きく改定されるまで、その法律は公然と生命に軽重をつけていた。生まれてよい命と、生まれてはいけない命。後者をあらかじめ淘汰するべく、多くの人たちが「優生手術」を強いられることに。被害を受けた1人が今春、札幌から声を挙げた。道内で旧優生保護法に基づく強制不妊手術を受けたのは、その人を含めて2593人。国の責任を問う裁判を起こすに到った男性は、怒りとともに訴える。「一生の傷を負わされた。国に謝って欲しい」

50余年経た告白「おれもあの手術を」

 テレビに流れるニュース映像に眼をやった朝、半世紀以上封印してきた記憶が蘇った。「宮城の女の人の話、やってたよね。裁判起こすって。それ観るまでは、絶対に誰にも言わないつもりだったんだけど…」
 札幌市北区の小島喜 久夫さん(77)は本年1月31日の朝、生まれて初めての決心をした。「母さんには今、伝えておかないとならないって思った」

小島喜久夫さん・麗子さんは知人の紹介で見合い結婚。本年2月までは家庭内で旧優生保護法が話題に上ることはなかった(札幌市北区の自宅)

弁護団はこれまで3度、電話相談の窓口を設け、初回の小島さんを含めて計10件の相談を受けている(5月21日、札幌市中央区の合同法律事務所に設けられた3度めの相談窓口)

遅れる移転計画
課題山積み北海道医療大の北広島移転

厚真の砂利採取場で起きた産廃不法投棄問題を追う

江差パワハラ死問題で交渉決裂
道「因果関係」否定貫く

つしま医療福祉グループ 「ノテ幸栄の里」が新築移転
地域包括ケアの拠点として在宅生活を支援

小島さんは提訴前に札幌市内の病院を訪問、50余年前の手術痕が残っていることを確認できた(医師が作成した5月7日付の診断書)

夏井功さん(左)は障碍当事者の立場から、道内の男性医師は不妊手術の執刀経験者として、社会が孕む問題を語る

"遊び人"だった小島喜久夫さんは結婚を機に真面目な勤め人となり、運転手などの仕事で小さな家庭を守ってきた(結婚まもないころのスナップ)

小島喜久夫さん・麗子さんは知人の紹介で見合い結婚。本年2月までは家庭内で旧優生保護法が話題に上ることはなかった(札幌市北区の自宅)

弁護団はこれまで3度、電話相談の窓口を設け、初回の小島さんを含めて計10件の相談を受けている(5月21日、札幌市中央区の合同法律事務所に設けられた3度めの相談窓口)

小島さんは提訴前に札幌市内の病院を訪問、50余年前の手術痕が残っていることを確認できた(医師が作成した5月7日付の診断書)

夏井功さん(左)は障碍当事者の立場から、道内の男性医師は不妊手術の執刀経験者として、社会が孕む問題を語る

"遊び人"だった小島喜久夫さんは結婚を機に真面目な勤め人となり、運転手などの仕事で小さな家庭を守ってきた(結婚まもないころのスナップ)

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