道警不祥事から考える〈27〉
幹部の子弟、道外す

2018年10月号

元巡査部長は事件のあった街で生まれ育ち、私大附属高校を卒業後、北海道警に採用された(北海道警察学校の卒業アルバム)

道警巡査部長が公然わいせつで逮捕
父親は異例人事で大規模署長退く

連続わいせつ犯検挙の報に安堵した地域住民は、その容疑者が警察官であることを知るに及んで絶句した。26歳の巡査部長は、同業の父親が住む実家の周辺で少なくとも1年以上前から、小学生など未成年の女性に下半身を露出し続けた。逮捕した北海道警は事件後、幹部職の父親を突然異動させることになる。大地震の話題に隠れて忘れ去られようとしている大不祥事の概要を、改めて伝えておきたい。
 

郊外の住宅地で頻発 捕まったのは警察官

 その地区の児童会館に小学4年生(当時)の女の子が駈け込んで来たのは、昨年8月12日午後のこと。会館にほど近い小学校と、やや離れた中学校を結ぶように走る舗道の途中、広い畑に隣接して小さな公園がある。友達と3人でそこを通りかかった女の子の報告を、会館の男性職員は深刻に受け止めた。「『さっき変な人いたんだよね』と。それを聴いて『またか』と思い、すぐ警察に通報しました」
 目撃された「変な人」は、20歳代後半から30歳ぐらいの男性。身長180㎝ほどの痩せ型で、黒色短髪――。
 札幌市南区の郊外、起伏の多い住宅地に約4800世帯が居を構えるその地域では、同一犯によると思われる公然わいせつ事件が多発していた。

親しい友人がいなかったと思われる初任科生は、なぜか卒業時に「絆」の寄せ書きを残している(道警察学校の卒業アルバム)

事件のあった地域では町内会役員らが「青色回転灯」車輌でパトロールを続け、早期解決をはかっていた(札幌市南区)

誤報で語られた旭川・女子中学生いじめ凍死事件

札幌トロイカ病院に浮上した不正請求疑惑を追う

江差看護パワハラ死遺族が「道が裁判を望んだ」

つしま医療福祉グループ代表の対馬氏が講演

逮捕の決め手となった6月24日の事件では、公園を囲む石垣に向かって放尿あるいは自慰行為をする元巡査部長の姿が目撃されている(札幌市南区の犯行現場)

地元の小中学校や児童会館では、1年以上前から連続わいせつ事件が話題になっていた(昨年8月に中学校教諭が作成した『事件報告書』)※伏字は札幌市教育委員会

この春、大規模署に着任したばかりの署長は、5カ月ほどでその職場を離れることになった(札幌市中央区の札幌方面中央警察署)

現職の幹部警察官である父親は、ただ「申しわけない」と繰り返すのみ(札幌市南区)

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この春、大規模署に着任したばかりの署長は、5カ月ほどでその職場を離れることになった(札幌市中央区の札幌方面中央警察署)

親しい友人がいなかったと思われる初任科生は、なぜか卒業時に「絆」の寄せ書きを残している(道警察学校の卒業アルバム)

事件のあった地域では町内会役員らが「青色回転灯」車輌でパトロールを続け、早期解決をはかっていた(札幌市南区)

現職の幹部警察官である父親は、ただ「申しわけない」と繰り返すのみ(札幌市南区)

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