激甚 北海道胆振東部地震
胆振・時間を止めた烈震/道都・札幌のブラックアウトの3日間

2018年10月号

最大の被害に遭った地域では、右手に写る小山からの土砂に呑まれて17人が犠牲になった(9月14日、胆振管内厚真町 吉野)撮影=小笠原 淳

「命名150年」の夏は、長く記憶され続けることになるだろう。
創刊以来初めて発売が大幅に遅れた本誌は、被災者としてその大災害と向き合い、記録者として被害の一端を発信する立場に置かれた。マグニチュード6・7、最大震度7、震源地は胆振地方中東部。その激甚災害に直面した北海道の姿を、北海道の眼と耳で捉え、伝えよう。震える大地の傷跡は、何を語ったのか――。
 

「のどかで、いい所だったのさ」
 胆振管内厚真町の建設業・脇田之ゆきまさ正さん(66)は、瓦礫の前に拡がる稲の波に眼を細める。曾祖父の代から住み慣れた、吉野地区の一軒家。流れていたのどかな時間がその朝、止まった。
 何の前触れもなく、「ドドン」と激しい縦揺れが全身を襲った。続く横揺れは、いったい何十秒間のことだったか。眼を開けると星空。腰のすぐそばに自宅の屋根があった。
 街灯のない闇の中から、同居する母親(91)と妻・友子さん(59)がヘリコプターで救出される姿を見守った。全員ほとんど無傷で助かったのは「奇蹟的だった」という。両隣の家では同世代の男性と若い兄弟がそれぞれ命を落とし、「家族みんなが助かったのは、うちを含めて2軒だけ」。同地区の犠牲者が17人に上ることは、報道で知った。「みんな助け合って暮らしてたのに、こんなことになってしまって…、涙も出ないわ」
 年齢と同じ66年間を過ごした自宅の前では、根元から折れた電柱の上に別の電柱が折り重なり、昨年買い求めた新車の屋根を波打つトタンが押し潰していた。

地盤の液状化で道が大きく陥没した清田区里塚(9月6日16時14分)

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9月6日08時37分、東区

9月6日09時28分、東区

9月6日09時37分、東区

9月6日10時49分、中央区

9月6日11時56分、北区

9月6日16時23分、清田区

9月6日16時49分、清田区

9月7日14時31分、東区

9月8日17時11分、中央区

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