新サテライトを札幌ハートセンターが開設
広がる循環器治療のネットワーク
札幌心臓血管クリニックとよひら
調剤薬局ビルの2・3階に入居する札幌心臓血管クリニックとよひら
Medical Report
全国屈指の循環器専門病院、札幌心臓血管クリニック(市内東区・107床)を運営する医療法人 札幌ハートセンター(藤田勉理事長)のサテライト診療所「札幌心臓血管クリニックとよひら」が6月3日、豊平区役所近くの環状通沿いにオープンした。2022年にJR新さっぽろ駅付近に誕生した「新札幌心臓血管クリニック」に続く2カ所目となるサテライトで、東区の本院を中心に札幌市内ほぼ全域をカバーする体制が整った。本院と遜色ない検査体制でスムースな病診連携を実現する札幌ハートセンター期待の新サテライトを紹介する。
(5月23日取材・工藤年泰)
豊平でも最新の医療を提供
市内から国道36号線を南下していくと環状通の交差点に藤田勉理事長のポートレートをあしらった「札幌心臓血管クリニックとよひら」の大きな看板が目に飛び込んでくる。この看板を目印に交差点を右折してほどなく走った場所、豊平区役所を目の前にした環状通沿いに新サテライトはある。6月3日、りしん会整形外科病院の隣にあるLMBビル2・3階(1階はレモン調剤薬局豊平店)にオープン。札幌市営地下鉄東豊線美園駅から徒歩10分程度と公共交通機関でのアクセスも良好だ。この美園駅をはじめ南北線の平岸駅、南平岸駅、澄川駅、東西線の白石駅からも無料の送迎バスを利用することもできる。
2022年7月、JR新さっぽろ駅近くの医療モール「Dスクエア新さっぽろ」に開業した「新札幌心臓血管クリニック」。ここに続く札幌ハートセンターの2番目となるサテライト診療所が「札幌心臓血管クリニックとよひら」だ。ここでは「新札幌」と同様に、狭心症などの心臓疾患を正確に3D画像で撮影できる256列マルチスライスCTが導入されており、超音波診断装置などと併せて循環器疾患の早期発見が可能となっている。
2年前の初サテライトオープン後も、患者から「近くに開院してもらって助かった」などと喜びの声が多く寄せられた。最善最新の循環器医療を広く提供していくことを目的にしている藤田理事長は、今回の開設理由をこう語る。
「本院の外来混雑の緩和もさることながら、治療における地域差というデメリットをなくしたいというのが今回の大きな開設目的です。こちらの外来で疾患が見つかった場合は東区の本院で治療を受けてもらい、予後については各サテライトでフォローする体制。今度から豊平地区でも札幌ハートセンターとしての標準的な医療サービスを享受できます」
「新札幌」に引き続き「とよひら」の院長を任された大川洋平医師は釧路市出身。釧路湖陵高校から旭川医科大学に進み卒業後は心臓血管外科の治療を学ぶため札幌医科大学第2外科に入局。以後、市立札幌病院、心臓血管センター北海道大野病院、恵み野記念病院、北海道大野記念病院などで実績を積んだ循環器分野のエキスパートだ。
外来診療は月曜日から金曜日まで大川院長が担い、藤田理事長も月1回土曜日を担当。診断で入院治療が必要と判断された場合は、速やかに本院で対応する体制が取られる。
狭心症や心筋梗塞に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)をはじめ小切開低侵襲心臓手術(MICS)、冠動脈バイパス手術、近年は道内の循環器分野で唯一、ダ・ヴィンチによるロボット支援手術も数多く手掛けている札幌心臓血管クリニック。症例数で全国トップクラスの同病院の治療を豊平エリアでも受けられることになったのは、患者にとって大きな朗報と言える。
今回のオープンを踏まえ藤田理事長は今後の方針を次のように語る。
「2028年をめどに進めている東区栄町周辺への本院の新築移転が最優先事項ですが、サテライトとしては道内ではニセコエリアや函館、あるいは東京なども視野に入れています。ただ規模やエリアの拡大自体が目的ではありません。医療の地域格差をなくし、ひとりでも多くの患者さんに最善最新の治療を提供していきたいということに尽きます」
始動した札幌心臓血管クリニックとよひらと札幌ハートセンターの今後に注目していきたい。
導入された256列マルチスライスCT
藤田理事長をあしらった無料送迎バス
導入された256列マルチスライスCT
藤田理事長をあしらった無料送迎バス
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