Journal's Eye
札幌心臓血管クリニックが東区内で移転新築へ

2023年07月号

病院の移転計画を新たに示した藤田理事長(5月21日午後、道新ホール)

国際的な心臓外科医が登壇した 医療セミナーで明かした新計画


 全国屈指の循環器専門病院として知られる札幌心臓血管クリニック(東区・104床)を運営する医療法人札幌ハートセンター(藤田勉理事長)が5月21日午後、通算16回めとなる医療講演会「札幌ハートセミナー」を開催。会場となった札幌市中央区の道新ホールに約300人が来場し、経験豊富なドクターたちの話に耳を傾けた。
「“低侵襲”~それは体に優しい心臓治療のこと~」と題したセミナーでトップバッターとして登壇したのは法人理事の佐藤勝彦医師。佐藤医師は「外来でわかる動脈硬化と心臓病」をテーマに、さまざまな疾患を引き起こす要因である動脈硬化について解説。次には同病院の若手ホープ、北井敬之医師が「その不整脈、諦めないで」と題してユーモアを交えて参加者に語りかけた。
 注目のひとつは心臓血管外科分野で国際的に有名な紙谷寛之医師が登壇したこと。現在、旭川医科大学教授の紙谷医師はこのほど札幌ハートセンターのスーパーバイザーに就任し、札幌心臓血管クリニックで外来診療にも当たっている(月1回・第2土曜日)。この日は副院長の光島隆二医師が座長を務める形で「低侵襲心臓手術~世界標準の治療を北海道へ~」と題して講演。国際的な流れを踏まえて患者にとって最善の治療を提供する意義を強調した。
 講演会のラストに松葉杖姿で登壇した藤田理事長は、年明けに悪性肉腫を患い手術を受けたことを明かしながら元気に診療に当たっていることをアピール。冠動脈カテーテル治療における国内有数のエキスパートとしての経験を踏まえ、全ての循環器疾患で可能な限り患者に負担をかけない治療を目指していることを参加者に語りかけた。
 この日のトピックが、藤田理事長の口から札幌心臓血管クリニックの移転新築計画があらためて明かされたことだ。
「地下鉄東豊線栄町駅徒歩10分圏内にまとまった土地を確保することができました。病院の裏側に建てる計画を取り止め、ここに新病院をオープンさせます。これまで懸案だったアクセスが格段に良くなり、狭隘でご不便をおかけしていた院内環境も改善されます。是非期待してください」(藤田理事長)
 盛会のうちに終了した講演会の後に開かれた医療相談会では、悩みを打ち明ける多くの姿が見られた。


 札幌ハートセンターでは昨年7月、JR新さっぽろ駅周辺に誕生した医療モール「Dスクエア新さっぽろ」3階に「新札幌心臓血管クリニック」(大川洋平院長)をオープン。来年4月には豊平区役所付近の環状通沿いにもサテライトクリニックを開業する予定となっている。ひとりでも多くの患者を救うには広いネットワーク構築が欠かせない。動き出した本院の移転新築をはじめ今後の展開に注目していきたい。

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低侵襲な心臓治療について病院の取り組みを説明する藤田理事長

動脈硬化の恐さを説いた佐藤医師

不整脈治療の中核を担う北井医師

座長として紙谷教授を紹介した光島副院長

札幌ハートセンターの一員としても活躍する旭川医大の紙谷教授

多くの参加者が熱心に耳を傾けた

毎回好評な医療相談会

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