地鎮祭で鍬入れをするカレスサッポロ・大城辰美理事長(6月23日午前)
社会医療法人社団カレスサッポロ(本部・札幌市中央区)は6月23日午前、札幌市東区北6条東3丁目の旧札幌卸センター跡地に建設する「カレス記念病院」の地鎮祭を同地で行なった。建築主であるカレスサッポロの大城辰美理事長をはじめ設計・施工の日揮(本社・横浜市西区)、西松建設(東京都港区)、岩田地崎建設(札幌市中央区)のほかビジネスパートナーであるツルハ(同市東区)の社長など約50人出席した。
「カレス記念病院」は、カレスサッポロが運営している北光記念病院(同市東区)と時計台記念病院(同市中央区)を移転統合するもので、地下1階、地上8階建ての鉄骨造(一部鉄筋鉄骨コンクリート造)の建物となる。延べ床面積は約1万5327坪(約5万600㎡)で、総事業費は約200億円、銀行5行がシンジケートローンを組んだ。
この日の地鎮祭では、完成に向け工事期間中の安全を祈願して一連の神事が執り行なわれ、大城理事長や日揮の山田昇司社長、西松建設の高瀨伸利社長が鍬入れに臨んだ。
神事後の挨拶で大城理事長は、「時計台記念病院も北光記念病院も築40年を超えて新たな先端医療機器を導入することが難しかったため、新病院を建設し、先端医療を実現しようと考えた。紆余曲折はあったが、法人の財務基盤を強化しつつ、プロジェクト実現のために職員一丸となって進めてきた。日揮の病院建設の知見を生かし、全室個室の最先端の病院の建設を進め札幌の救急医療の中核を担う拠点にしたい」と意欲を示した。
新病院の病床数は320床(うちICU=集中治療室とCCU=冠動脈疾患集中治療室が併せて8床、化学療法センターが50床)。最上階には感染症対応の陰圧個室18床も設置する。セル看護方式(患者に寄り添い看護に専念する看護提供方式)を導入し、各階には医療スタッフらの休憩室も用意。病床は差額ベッド代が必要のない全室個室になる予定だ。
設計、監理は日揮一級建築士事務所と西松建設北日本支社一級建築士事務所(仙台市青葉区)、施工は西松・日揮・岩田地崎特定建設工事共同企業体。
新病院には、低層階別棟でビジネスパートナーのツルハが担う「ダ・ヴィンチモール」が併設され、クリニックと調剤薬局が入居する。工事期間は2024年12月末まで。期待される新病院のオープンは25年4月の予定となっている。
(文と写真=工藤年泰・佐久間康介)