初のオンライン開催となった忘年会で挨拶する藤田理事長(12月12日夕、札幌パークホテル)
全国屈指の循環器専門病院、札幌心臓血管クリニック(東区・85床)を運営する医療法人札幌ハートセンター(藤田勉理事長)がオンライン形式による忘年会を12月12日夕、札幌パークホテルで開いた。例年、同ホテル3階のパークホールで職員や幹部が一堂に会し、盛大に行なってきた忘年会だが、今年はコロナ禍を受けて趣きを変えての開催。同ホールに集まったのは藤田理事長以下、経営幹部や関係者10名足らずだったが、オンラインの向こうで300人近くがZOOMの画面を通して参加した。
ここで明かされたのが、サテライトクリニック開設という注目の計画だった。まずは当日の忘年会の模様をお伝えしよう。
この日、ステージに立ったのは藤田理事長、同法人理事兼ゼネラルマネージャー・才門功作氏、同理事・佐藤勝彦氏の3人。
トップバッターとして開会挨拶の後でマイクを握った藤田理事長は、札幌ハートセンターの歴史と今後のビジョンについて説明。2008年、現在地で19床の循環器医院としてオープンした札幌心臓血管クリニックが85床の専門病院として経皮的冠動脈インターベンション(PCI)症例数で全国トップにまでなった今日までの歩みに触れながら、医療はサービス業であることを力説。全道各地の医療機関に医師を派遣して展開しているサテライト外来の重要性を踏まえながら、ウェブを最大限に活用するコロナ時代に相応しい医療体制を構築していこうと呼びかけた。
これを受け、マーケティングの最高責任者である佐藤理事は2020年における病院の治療実績を紹介しながら地域医療連携と広報戦略について解説。札幌市内でPCIを施行している医療機関の数や立地を説明し、患者から支持されるマーケティングの重要性を説いた。
乾杯の音頭をとった才門マネージャーは同法人が属しているアジア医療グループ(本部香港・AMG)の幹部でもある。この日、同氏はアジア圏における「AMGの今後のビジョン」をスタッフらに披露したが、その中で明かされたのが札幌ハートセンターによる新札幌副都心(厚別区)への進出だ。
現在大和ハウスグループが再開発を進めている同エリア。新さっぽろ脳神経外科病院など医療施設が集積する予定のI街区は、2022年5月開業を目指し工事が進められているが、この中の医療複合ビルD棟に札幌心臓血管クリニックのサテライト外来を開設するという。
札幌心臓血管クリニックの外来機能拡充は、多くの患者から望まれていた案件。混雑を緩和し、厚別や清田、北広島方面の医療ニーズに応えるという意義も小さくない。これまで同病院では前述のように全道で「出前サテライト」に取り組んできたが、法人による自前の「病診連携」がこれで実現することになる。
忘年会は恒例の大抽選会をもって幕を閉じた。1等賞品は話題のM1チップを搭載した最新のMacBook Pro。オンラインの向こうでは、当選したスタッフの笑顔がはじけていた。