「ガンマナイフ」に最新装置を導入した札幌の中村記念病院
リニューアルしたガンマナイフで脳疾患の放射線治療が大きく前進
リニューアルされたガンマナイフパーフェクションと院内スタッフ(中央男性が中村理事長)
Medical Report
日本有数の脳神経外科専門病院として知られる社会医療法人医仁会中村記念病院(札幌市中央区/中村博彦理事長・院長/499床)は、脳内疾患専用の定位放射線医療装置「ガンマナイフ」の機能更新を行ない、8月27日から本格稼動させた。脳腫瘍などの治療効果をより高めるため、同病院の「ガンマナイフパーフェクション」に付属装置「Icon(アイコン)」を導入。ハードとソフト全体の更新によって治療困難とされた病変部をはじめ、より大きな腫瘍などにも対応を可能にした。国内におけるガンマナイフ治療をリードする同センターの取り組みを中村理事長に訊いた。(8月28日取材)
道内唯一の導入施設として500人前後の患者を治療
患者のQOL向上に果たすガンマナイフの大きな役割
放射線を病変部のみに集中するガンマナイフ治療は、これらの転移性脳腫瘍にも治療効果が高いという。また、通常の放射線治療は周辺正常細胞へのダメージを避けるため治療は一度しか行なわないが、ガンマナイフ治療は再発脳転移の場合でも腫瘍の場所が異なれば再び照射することができる。
ガンマナイフセンターを束ねる高梨正美センター長(脳神経外科部長)は、患者が診療を受けていたがん専門病院の主治医とコミュニケーションを図りながら治療に当たっており、この点でも安心できる。
転移性脳腫瘍は手足の運動麻痺などを伴うことが多いが、ガンマナイフで腫瘍が小さくなると運動機能の回復が見られるケースもある。また前述の三叉神経痛については、基本的に同院の「MVD(微小血管減圧術)センター」で治療を行なうが、高齢者や心疾患のある患者には体への負担の少ないガンマナイフを選択する場合もあるという。「実際ガンマナイフは、患者のQOL(生活の質)向上に大きな役割を果たしています」(中村理事長)
ガンマナイフセンターの高梨正美センター長
新たに導入されたマスクシステム
期待される「ガンマナイフ Icon」
ガンマナイフセンターの高梨正美センター長
新たに導入されたマスクシステム
期待される「ガンマナイフ Icon」
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