
「医療DXの推進により患者や利用者と向き合う時間を増やすことができる」と力説した大島一博氏(9月19日午前、日本医療大学月寒本キャンパス3階大講堂)
つしま医療福祉グループの一員である学校法人日本医療大学(札幌市豊平区・対馬徳昭理事長)主催の特別セミナー「日本の人口減少に伴い何故医療DX人材が必要なのか」が9月19日午前、日本医療大学月寒本キャンパス3階大講堂(札幌市豊平区)で開催された。
テーマの「医療DX」とは、デジタル技術やデータを活用して医療・介護の仕組みや業務プロセスを根本から変革し、より良い医療サービスと効率化を実現する取り組みのこと。電子カルテ化に代表されるペーパーレス化などの「IT化」にとどまらず、医療の仕組み全体を最適化することを目指すもので、政府における日本成長戦略会議でも議論されている重要事項だ。
今回のセミナーには、北海道、北海道医師会、北海道病院協会が後援し、医療介護業界や同大学関係者など約300人が参加し、耳を傾けた。
冒頭、同グループ代表でもある対馬理事長が登壇し、次のように挨拶。
「日本医療大学の前身、日本福祉学院が開学して37年、大学に改組して13年目を迎え、現在は2学部7学科、学生数3千人を超える規模になった。当大学は、社会のニーズをとらえて常に新しい学部、学科を設置してきた。そのひとつが今年4月に開設した医療DXマネジメント学科。人口減少と医療DXは密接な関係がある。今回の講演が皆さんのお仕事に役立つことを願っている」
特別セミナーでは最初に「ミスター介護保険」と呼ばれる日本医療大学客員教授の山崎史郎氏が『人口減少社会を考える』をテーマに講演。
前内閣官房人口戦略本部・全世代型社会保障構築本部総括事務局長の山﨑氏は、1978年厚生省(現厚生労働省)入省後に道庁に出向し、当時の環境保健部在籍中に約1千人の高齢者を対象に要介護認定とケアプランをつくったことを紹介。
「今では当たり前の『ケアプラン』という言葉は、この時に北海道でつくられたもの。それまでは『介護プラン』など言い方がまちまちだった」というエピソードを紹介し、自身の北海道との縁を強調した。
続けて「日本の少子化は都市部に若者や女性が流入しながら進んでいる。その結果、地方から人口が減っていく。今、北海道で起きている人口減少・少子化の現象にしっかりした対応をすることは、いずれ他の地域のモデルになる。課題を地方から解決するモデルをつくり出すことが求められている」と述べた上で、「少子化問題は、女性と若者の働き方や雇用の安定が鍵になる。単に縮小するのでなく、DXやAIを使いながら、さまざまな機能を統合させて社会基盤を強くするスマートインテグレーションが答えになっていく」と訴えた。