ルポ「ひきこもり」120──北見市社会福祉協議会の取り組みから
レタポスとの連携で寄り添う形に進化したひきこもり支援

2025年09月号

北見市総合福祉会館にある、ひきこもり相談センター「ふらっと」

オホーツク管内の北見市社会福祉協議会がひきこもり支援に力を入れている。昨年4月に「北見市自立支援センター」内にひきこもり支援に特化した、北見市ひきこもり相談センター「ふらっと」を開設。これに協力し、札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(レタポス・田中敦理事長)は昨年に続きピアスタッフを派遣。7月26日から現地で居場所事業を主催するなど連携の輪が広がっている。北見市のひきこもり支援の現場を取材した。

(武智敦子)

語られた「ひきこもりの経験」


 7月26日。NPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(以下レタポス)が北見市で行なう居場所事業「ふらっと」が北見市総合福祉会館で始まった。レタポスが主催する北見での事業は今年で2年目となり、10月24日までの計4回行なう。また、ネット上の仮想空間「メタバース」を使った当事者支援も8月21日から計4回を予定している。
 今年初回の「ふらっと」には、ひきこもり経験のあるピアスタッフが話題提供する「全体会」に引き続き、当事者会と家族会に会場を分けてのグループ交流を実施。終了後は個別相談会も行なわれた。北見市ひきこもり相談センターによると、全体会には当事者と親を含めて9人、当事者会には8人、家族会には4人が参加した。個別相談は2人だった。
 今回の「ふらっと」には、レタポスが札幌市から受託する集団型支援拠点「よりどころ」で当事者ピアスタッフとして活動する大橋伸和さん(40)と尾澤基さん(36)、家族ピアスタッフの鈴木祐子さん(78)の3人が参加。冒頭の「全体会」では大橋さんと尾澤さんの2人が、ひきこもっていた当時を振り返った。


 大橋さんは現在、札幌市内の社会福祉法人で障害を持つ人からの相談を受ける仕事にも従事。勉強会や講演会の講師としても活躍するいまの姿からは信じられないが、子どもの頃から対人関係は苦手だった。周囲と同じようにできないことから自己否定が強まり自信を喪失。やがて学校に行けなくなり中学時代は完全に不登校になった。
 不登校支援の場で仲間とゲームをして過ごす中、積極的に関わってくれた児童相談所の職員に憧れ、心理カウンセラーを目指した。

全体会で話題提供をした大橋さん

全体会で話題提供をした尾澤さん

乙部盗撮で道新が書かない男性記者の影

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「父母の会」が遺族陳述に落涙

中標津町の酪農に見えてきた曙光

脳神経外科の急性期・在宅医療の進化を森山病院の安栄医師に訊く
脳神経繊維を傷めない手術を確立・訪問看護とのコラボで伸びる余命

ひきこもり支援を担当する北見市社協・生活支援課のスタッフ
(左から岡田さん、三浦さん、新谷さん)

来所者の相談に応じる三浦さん

7月26日に行なわれた「ふらっと」の全体会

グループワークで親たちの話に耳を傾ける鈴木さん(左)

ひきこもり支援を担当する北見市社協・生活支援課のスタッフ
(左から岡田さん、三浦さん、新谷さん)

来所者の相談に応じる三浦さん

7月26日に行なわれた「ふらっと」の全体会

全体会で話題提供をした大橋さん

全体会で話題提供をした尾澤さん

グループワークで親たちの話に耳を傾ける鈴木さん(左)

乙部盗撮で道新が書かない男性記者の影

江差パワハラ
「父母の会」が遺族陳述に落涙

中標津町の酪農に見えてきた曙光

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