“核のゴミ”レポートPART44「ほろのべ核のゴミを考える交流会」と寿都町長選の今
地層処分は壮大な虚構

2025年09月号

2009年からコロナ禍の時期を除いて毎年開催されている「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」。今年は「日本で地層処分はできない」をテーマに「各地からの発言」や分散会などを実施。若い世代からの発言もあった(7月26日、豊富町内で)

人々を翻弄する原子力関係者と「事前調査」の舞台、寿都の行方

日本原子力研究開発機構の「幌延深地層研究センター」で続く“核のゴミ”最終処分に向けた試験研究も、NUMO(原子力発電環境整備機構)が後志管内の寿都町と神恵内村で進めようとする処分地選定に向けた「概要調査」も、「いずれ日本でも地層処分ができるだろう」という壮大な虚構にもとづく動きである。現実を直視せず「いずれ科学技術が解決してくれる」と思い込んだ原子力関係者には、その虚構が人々を翻弄することに思いが及ばない。一方で計画の矛盾に気づいた人たちは2009年から地層処分政策のあり方を問う交流会を続けてきた──。今回は、その交流会の模様と“核のゴミ”事前調査の舞台になっている寿都町の町長選をめぐる動きをお届けする。

(ルポライター・滝川 康治)

「日本では地層処分はできない」
60人が集い豊富町などで交流会


 7月27日の2日間、宗谷管内豊富町などで開かれた「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」。幌延町周辺の住民グループなどでつくる「核廃棄物施設の誘致に反対する道北連絡協議会」(共同代表・山路弦太さんら3人)が中心になり、2009年から毎年夏に開催しており、全道各地から約60人が参加した。
 今年のテーマは「日本で地層処分はできない」。冒頭で、道北連絡協の共同代表で稚内在住の東(あずま)道(おさむ)さんが、処分計画が破綻しているとする理由を述べた。
① 寿都町と神恵内村で行なった「文献調査」の報告書は、最終処分法第6条2項の規定を守っておらず、10万年後の安全が要求される処分地の選定作業とはいえない
② 地層処分政策を進める過程で、国やNUMOが処分問題で国民と十分話し合ったことはない
③ 「“核のゴミ”は受け入れ難い」とする道条例は道民の意思として制定されたもの。これを無視して「概要調査」を行なうことは地方自治の否定である。
④ “核のゴミ”を生みだす核燃料サイクル(再処理)事業が破綻している
⑤ 世界最大級の変動帯の日本に地層処分できる場所はない

 そして幌延町での処分研究について、「地学(※地球やそれを形成する物質についての学問。地質学・鉱物学・地震学などの総称)の専門家らが『日本での地層処分は不可能』との声明を出しており、いくら部分的な成果を強調しても研究全体は破綻している。早急に施設の解体・埋め戻しの工程を明らかにすべきだ」と、参加者たちに問題点を提起した。

破綻する地層処分計画について問題提起する共同代表の東さん

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道と幌延町が深地層研究の動向をチェックする「確認会議」(25年5月)

道の担当者(左)に研究の問題点などを伝える道北の住民ら(昨年4月・道庁で)

大串伸吾氏が「寿都の会」に示した核ゴミ問題に対する「基本姿勢」

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