
積水ハウスのDJ構法と土屋ホームの高断熱・高気密技術を融合したモデルハウス
積雪時の大地震に備える高耐震性 “土台レス木造住宅”を全道展開へ
資本業務提携を結んでいる土屋ホーム(本社札幌)と積水ハウス(本社大阪)は、道内の木造戸建て住宅で共同建築事業を始動する。土屋ホームが提供する木造住宅に、積水ハウスが開発した土台を使わず基礎と柱を直接緊結するダイレクトジョイント構法(DJ構法)を採用し、耐震性を高める。積雪寒冷時に震度7の大地震が2度来ても倒壊しないレベルの住宅を実現し、道民に住まいの安全安心を提供する考えだ。 (佐久間康介) |
北海道のような積雪寒冷地では、木造戸建て住宅で冬期の積雪荷重がある状態で大地震が起きると構造躯体への負担が増して倒壊、破損のリスクが高まるが、それを防ぐには高い耐震性が必要となる。延床面積35坪の平均的な戸建て住宅の場合、冬期の最大積雪量の際には20tの荷重がかかる。これに耐える現行基準最上級の耐震等級3の住宅建築技術は簡単ではない。北海道では積雪荷重を考慮して設計されているため、冬場以外で大地震が起きても倒壊、損壊の被害はほとんどない。1993年7月の北海道南西沖地震や2018年9月の北海道胆振東部地震のように、道内ではこれまで積雪のある冬季に大地震が発生したことはなかった。こうしたことを踏まえ土屋ホームの大吉智浩副社長は、「冬季の北海道の地震防災に強い危機感を感じている」と話す。
木造住宅は一般的に土台構法が採用されている。基礎と柱の間に土台を設け、土台と基礎をアンカーボルトで繋ぐ構法だが、これでは大地震に十分な耐震性が得られない。
「10年前に熊本地震が起きた時、震度7の地震を2度受けても破壊されない接合部の開発を目指したが、実現に至らなかった。従来の土台構法による高い耐震性の確保は、いずれ限界が来ると感じていた」(大吉副社長)
一方の積水ハウスは鉄骨住宅を主力にしており、基礎と鉄骨を専用の金物で繋ぐ技術に長けている。同社はこの技術を木造住宅に応用し土台を使わないDJ構法を確立。基礎と柱がアンカーボルトで直接緊結しているため、一般的な耐力壁の2倍の耐力がある高強度耐力壁を採用できる。当初はこの構法を自社の木造住宅のみに利用していたが、それでは全国に普及するまで時間がかかりすぎると判断。23年9月からこの技術をオープン化し、全国各地のハウスメーカーと協業する「SIラボレーション(以下、SIコラボ)」を開始した。