Agri Report ──羽幌発「株式会社焼尻めん羊牧場」の挑戦
還暦を過ぎて羊飼いになった男
小さな島は「地方創生の最前線」
海を見下ろす高台で潮風を浴びた草を食んで育つサフォーク種の羊たち
※掲載写真は全て焼尻めん羊牧場と羽幌町役場の提供
民間の力で羽幌の地域資源を再生へ
還暦を過ぎてから離島の羊飼いになった男がいる。留萌管内の羽幌町が長年運営してきた「焼尻めん羊牧場」を昨年に引き継いだ東郷啓祐さん(62)、その人だ。今では1カ月に1、2度のペースで札幌を離れて焼尻島に渡り、1週間ほど羊たちに囲まれた生活を送る。これまで中小企業のM&Aなどを手掛けてきた東郷さんが羊飼いになったのは偶然の産物。東郷さんの仲介で焼尻めん羊牧場の承継を検討していた人物が突然手を引き、選択を迫られる中で出した答えが自分で牧場を引き受けることだった。当時、東郷さんの背中を押したのは肌で感じた「焼尻めん羊まつり」の活気。「この賑わいは残す価値がある」──直感的にそう思った東郷さんの新たな挑戦が、そこから始まった。小さな島における地方創生の大きな取り組みをレポートする。
(11月14日取材 工藤年泰・佐久間康介)
M&A専業からやむなく転身
「あべ養鶏場」の再生に道筋
スタッフが夏場に寝泊まりするログハウス。冬場の寒さには耐えられず住環境の改善が課題になっている
焼尻めん羊牧場の全景(町営時代に撮影)
羊舎内の様子。ここで羊たちは冬を過ごす
島には外敵がおらずストレスフリーの飼育環境が肉質にも好影響を与えている
スタッフが夏場に寝泊まりするログハウス。冬場の寒さには耐えられず住環境の改善が課題になっている
焼尻めん羊牧場の全景(町営時代に撮影)
羊舎内の様子。ここで羊たちは冬を過ごす
島には外敵がおらずストレスフリーの飼育環境が肉質にも好影響を与えている
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