北海道大学の闇─敷地内薬局公募の怪
メディシスの「なの花」はこうして北大に選ばれた

2020年10月号

「処方箋920枚」をめぐる争奪戦が繰り広げられた(写真は北大病院)

前代未聞のプロポーザルに噴き出す疑義

総長解任問題に揺れた国立大学法人北海道大学(寶金清博総長・以下北大)に新たな疑惑が持ち上がった。このほど北大は敷地内薬局誘致に伴う公募型プロポーザルで運営事業候補者を選定したが、この結果が出来レースだった可能性が浮上。経済的なメリットに偏重したプロポーザルのあり方にも疑問の声が相次いでいる。公立大学たる北大は守るべき“公共の利益”を忘れてしまったのか──。(本誌編集長・工藤年泰)
 

「処方箋920枚」をめぐる異例ずくめのプロポーザル

 
 敷地内薬局の誘致に伴い北大が行なった今回の公募型プロポーザルは、多くの面で異例ずくめの展開となった。
 そのひとつが選定期間の長期化だ。2018年7月3日に公募公告を出した同大では当初、同年9月中旬に運営事業候補者(優先交渉権者)を決め、翌年19年4月から土地(約900㎡)を貸し付ける予定を立てていた。公募公告から事業者の選定まで2カ月強というスケジュール。それが遅れに遅れた。
 北大が事業者をようやく選定したのは今年7月下旬。「2カ月」の予定が2年に延びた形となり、この間の社会情勢の変化や物価変動などを考えれば応募事業者にとって困惑せざるを得ない状況。そうした事態を生んだことだけでも大学側の責任は決して小さくない。
「同様のプロポーザルでは、最終のプレゼンテーションから事業者決定まで10日前後が通例。このような遅延は聞いたことがありません」(応募事業者関係者)
 結果的に北大は7月29日、二次審査に残ったアインホールディングス、日本調剤、ツルハホールディングスの3社に「選定されなかったこと」を通知。優先交渉権を得たのは、メディカルシステムネットワーク(本社札幌・田尻稲雄社長、以下メディシス)の子会社「なの花北海道」(本社同)だった。
 選定期間の長期化もさることながらこの間の説明が不十分だったことにも不透明感が漂う。
 

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外来診療棟の東側に予定されている敷地内薬局建設地

「なの花」は北大病院の門前薬局のひとつでもある

新総長に選ばれた寶金清博氏(写真は北大病院長時代)

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