満席となったセミナー会場(10月20日午後、新さっぽろアークシティホテル)
札幌心臓血管クリニック(東区)などを運営する医療法人札幌ハートセンター(藤田勉理事長)が10月20日午後、新さっぽろアークシティホテル(厚別区)で医療講演会「札幌ハートセミナー」を開催した。今回で11回目となる同セミナーだが、厚別区では初開催。評判病院の凄腕ドクターが登壇するとあって、会場には約250人の市民が集まり熱心に耳を傾けた。
札幌心臓血管クリニックのルーツは、平成20年に藤田理事長が立ち上げた19床の循環器単科医院だ。以後、急成長を遂げ同23年には74床の循環器専門病院として再スタートを切り、翌24年には北海道で最も多く心臓外科手術を行なってきた道井洋吏院長が合流。今年の春には、厚生労働省が集計するDPC(診断群分類包括評価制度)データに基づく2016年調査で、経皮的冠動脈形成術(PCI)の患者数が2123人で国内最多という結果が公表されるに至っている。心臓血管外科領域や不整脈治療などを合わせ、今では同病院は循環器分野で全国トップを走っていると言っても過言ではない。
当日のセミナーでは、冒頭で札幌白石記念病院(白石区・社会医療法人医翔会)の理事長・院長である野中雅医師が「治す時代から予防する時代へ」と題して講演。脳血管内治療のエキスパートである野中医師は、脳神経外科分野と循環器分野が連携して予防や治療にあたることの重要性を説き、札幌心臓血管クリニックとの絆を強調した。さらに札幌心臓血管クリニックで不整脈治療を担当する北井敬之医師、副院長で心臓血管外科担当の光島隆二医師が専門分野の最新情報をそれぞれ熱く語った。
この日のラストバッターとして登壇した藤田理事長は病院の成り立ちを説明した上で、「私たちの病院は、全国トップレベルの技術と経験を持つ循環器内科医と心臓血管外科医、不整脈専門医が相互に連携して治療に当たる体制を敷いています。CTといった検査機器についても常に最新鋭を導入しており、心臓、循環器にかかわる病気の全てで最良の治療を提供できる自信があります」
と来場者に語りかけ、不調を感じた場合は1日も早く専門医に診てもらうことを促していた。講演会終了後には藤田理事長らによる個別の医療相談会も行なわれ、多くの参加者が悩みを打ち明ける姿も見られた。
次回の「札幌ハートセミナー」は来年5月11日に、道新ホール(中央区)で開催予定だ。