鈴木翁二特選漫画館
《歌の町》

2025年10月号

《歌の町》

本誌表紙絵でお馴染みの漫画家・鈴木翁二さんの名作のひとつを紹介したい。収録した『歌の町』は1980年代前半に描かれたもので、浮遊する魂をわしづかみにして紙面に焼き付けるような独特のタッチから孤独を抱える少女の哀感が伝わってくる。読者からの評価も高く、本作は単行本『かたわれワルツ』(而立書房・2017年刊)にも収録されている。作家性を重んじる伝説の漫画雑誌「ガロ」で漫画家デビューを果たし、水木しげるプロダクションにスカウトされた青年は、どうしようもない寂寥を抱えて独り立ちし、唯一無二の“翁二ワールド”を築いていくことになる。その歩みは今も止まることがなく、近年は欧米など海外からの評価も高まっている。翁二漫画を愛してやまない赤澤帆希さんのラブレターを添えてお届けする。

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