【シリーズ・住宅不動産情報】⑰──回復しない戸建て住宅需要
バブル超え株価でも底打たず 3年連続1万戸割れに現実味

2024年04月号

「ウィズランド南平岸」の販売現場

戸建て住宅の需要が回復しない。国土交通省によると2023年の道内の住宅着工戸数は1万686戸で、そのうち持ち家は8277戸と2年連続で1万戸を割り込み、過去65年間で最少となった。株価はバブル時の最高値を34年ぶりに更新し、全国的に賃上げ期待が広がるが、北海道の景況感に持ち直しのムードは乏しく、戸建て需要が底を打つ気配はない。24年も1万戸割れが続く見通しだ。

(佐久間康介)

建築費500万円割引も


 戸建て住宅需要について、住宅系メディア関係者はこう話す。
「とにかく価格が高くなりすぎた。土地の値段が高止まりしているうえ、建築資材、労賃なども軒並み上昇している。戸建て需要は2年ほど前まで旺盛だったが、2022年の夏に潮目が完全に変わった。建築費は坪単価が70万円から90万円台に跳ね上がり、30坪であれば2500万円前後。土地代を足したら4500万円程度になる。これでは、主力購買層の30代にはとても手が出ない」
 購買マインドの冷え込みは、チラシの反応にも表れている。ある関係者は、「まとまった区画数の宅地情報のチラシを3万枚新聞に折り込んだが、反応は全くなかったという話を聞いた」と話す。
 冷え切ったマインドを少しでも温めようと、ハウスメーカーも躍起だ。ミサワホーム北海道(本社・札幌市白石区)では、11人を対象に抽選で建築費を総額3千万円(1名は5百万円、10名は250万円)を割り引くキャンペーンを行なっている。

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「ルシアガテーン平岡」の販売現場

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